カシメルマンはBARにおるんちゃうか

≪スケールモデルからアニメキャラクターまで、
幅広い分野の模型製作を詳しく解説!≫
(小さい写真はクリックで拡大)

「雷電21型《六》」

2023年10月08日 | 製作日記 雷電21型
ちょっと涼しくなってきましたね、というかいきなり寒いくらい。
…秋はどこ行った? 近頃“春夏秋冬”ではなく“春夏冬”になってきてる。

↓風防にマスキング。
自分は先ず大きめのテープを窓辺りに仮に貼って、
光にすかしてペンで形を写し取る方法をやってるんだけど
窓枠の線が薄くて、なかなか見え辛い。
結構、トライアンドエラーの繰り返しになった。

↓ブラシで黒を吹いてから、機体基本色を重ねる。
理屈は「震電」の記事で記した通りだ。

↓マスキングを剥がす前にウェザリングカラーで
ウォッシングするとマスキングテープの段差部分に
カラーが載って、上手く窓枠とガラスの境目が黒くなる
(判りにくいけど右写真)。

↓例の追加部品?の照準器も付けた(矢印)。
反射板が透明になったワケだ。

↓お楽しみのチッピング。
前も言ってたかもしれないけど、この毛が抜けて
数本くらいになってしまったヘロヘロの細筆が役に立つのだ。
チマチマした点の集合体をちりばめる。
搭乗員が踏む辺りを中心に剥げが多いんだよなあ。

↓チッピングは特にピカピカ光るよう、
クレオスSM206番スーパークロームシルバー2を使用。

↓次に機銃からと排気管からの煙汚れをつける(矢印部)。
フラットブラック一色でなく、少しシルバーを混ぜて
金属の削れカスが混じってるみたいにしてやった。
ところで「紫電」の記事で、これは他作例のパクリ、
みたいな事書いてたけど、詳しく話すとそれはデパートの模型売り場の
ショーケースにあった1/48の零戦の完成例だったんだ。
45年くらい前のハナシだよ。フツーは“まあまあ綺麗に作ってある”
程度の作品が並んでるんだけど、その零戦だけ異様に手が込んでて
上手かったんだ。時代にしちゃあ進んだモデリングだったように思う。
機銃の根元がスス汚れる表現もそれで知って、しかも微妙に
黒に銀粉混じってる感じでリアルに思えた。
そこからレシプロ戦闘機作る際はやめられない。

↓アンテナ線は0.2mm径の真鍮線を使った。…ちょっと太めだ。
0.14mmの銅線ってのもあるけど、円筒に巻いてあるので
真っ直ぐ伸ばして固定出来ないのだ。自分の技量では無理っぽい。
矢印部は瞬着で再現した絶縁体である。

↓アンテナ線は黒、絶縁体を白に塗って
「雷電21型」の完成である。お疲れさんです。








↓旧作の「紫電11型」と見比べてみる。紫電はタミヤ製だ。
今回は機体色を明るいめにしたのが判るね。

↓…やっぱ雷電は翼長が短いな。

カシBARでポン酒をヒッカケる。
紫電の掩体壕に余りスペースがあるので載せてみた。もう飾り台はこれでエエわ。

…で、雷電という戦闘機は操縦が難しく、操縦席からの視界も悪くて事故が多く
当時“殺人機”と云われるくらい不評だったそうな。
零戦とかに比べるとめちゃめちゃ乗り難いんだ。
用途が特に絞られる、迎撃専用機で空中戦もやり辛かったみたいだ。
でも、そんな雷電を好んで乗りこなす搭乗員も居て、
特に“赤松貞明中尉”という人はこの雷電を気に入って「こんな名機はない」
と褒めちぎるくらいだったそうな。おそらくは機体の特性を熟知した上で
ピーキーな操縦が自在に出来る状態だったんだろう。
アメリカのP-51とかと互角に戦い、通算で何十機も墜とした“撃墜王”だったらしい。
クセのある機械にもソレを好む人間が絶対出てくるんだよなー(笑)。


…えーと、このブログも今月13日で開設10年になります。
アクセス数をみると毎日100名以上くらいの方が訪問されていて
トータル観覧数は92万5千辺りです。
一見さんはともかくリピートされている方は特にありがとうございます。
やっぱりアクセス数とか、「いいね」ボタンでテンション上ったりしますからね。
これからも「カシBAR」を宜しくお願い致しますm(__)m。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「雷電21型《伍》」

2023年09月28日 | 製作日記 雷電21型
まだまだ暑いです。
9月も末だというのにまだ半ズボンで外出してます(笑)。
コロナとインフルエンザがまたぶり返してて、マスクも外せないしなー。

で、雷電。
↓キット内容では“大村基地 青木義博中尉”仕様と
“厚木基地”仕様の二種類が再現出来るようになっていて、
“青木義博中尉仕様”はよくある側面に稲妻ラインが入ったヤツ、
“厚木基地仕様”は胴体後部に黄帯の入ったヤツだ。
稲妻ラインは作例をよく見かけるので自分は地味に後者にしようと考えた。
…すると右写真の白矢印のパネルを銀に塗りなさい、との指示。
これは機体右側のみだ。多分補修して塗装をすっぽかしていたのかと。
デカールの機番に該当する、こんな個体があったそうなんだよな。
尚、例の引き込み脚の確認棒は赤に塗る(右写真黄矢印)。

↓クリアーレッドとクリアーブルーは
自分はガイアカラーのを使ってる。翼端燈は筆塗り(右写真矢印部)。

↓さて、次にウェザリングカラーで墨入れする。
最初に開けておいた鋲穴が綺麗に出てくれると嬉しいけど。
半乾きくらいで溶剤を染込ませた綿棒で軽く擦るとモールドが浮き出るのだ。

↓…擦った方向に黒い汚れが残り、水垢汚れのようにもなる。

↓鋲穴も黒く出て、1/72らしからぬディテールになったかと(^0^)。

↓えー、で、デカールを貼る下準備として、
貼る範囲くらいに一旦、艶ありのクリアーを吹きつけ(矢印部他)。
これはデカールニス部のシルバリング(空気が抜けずに白くなる)対策だ。
つまりは艶あり面の方がデカールが密着するワケだ。

↓付属のデカール。
一応、大きくはみ出たニス部(透明の膜部分)は切り落としておいた。
まぁ、文字の間の部分全部は無理としても、この真ん中辺りの⑫、⑬なんか、
写真に書き込んだ二点鎖線の中全部ニスなんだもの。
でも切ると当然形が細い“コの字”になってしまい
破け易くなるので貼る時は神経を使う。

↓日の丸は白と赤の二重構造。
下地の色に影響を受けなくていいのだ。

↓但し綿棒で中の空気を抜く作業を
白線の太さがまちまちにならないようにしながらやるのが面倒だ(^^;。

↓一先ず終了(汗)。
久しぶりにデカール貼りしたら、えらい疲れた。
クリアーで艶ありになった部分はデカールが乾いてから
艶消しクリアーをフワッと乗せるとカンペキ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「雷電21型《四》」

2023年09月14日 | 製作日記 雷電21型
↓基本塗装、機体下面から着色。
明灰白色がストックに見当たらないので写真の塗料から大体そんな色を調合。

↓サーフェイサーとあまり変わらない色なので判りにくいけど塗りました。

↓で、機体上面は濃緑色だけど、これも作る。
「雷電」の場合、実際よりやや明るい目の濃緑色が塗ってある他作例を
見かけたんだけど、そうすると操縦席前の反射避けの黒が際立って見えて
カッコよく思えたので自分も真似してみることに。
人がやってるのをパクるのも手段だ。

↓マスキングは写真の場所に。
明灰白色の部分は塗装図を参考に境目をきっちり隠す。
雷電ではウネウネ曲がってなくて直線っぽかったので楽なのな。

↓先ず“狙いの色”より暗い目の色をスジ彫り周辺にしっかり目に吹きつけ。
普通はブラックでやってたけど面倒だからもう色の明暗でやっちゃうぞ。

↓そして“狙いの色”(前項の色より明るい色)を全体に吹きつける。
スジ彫り周辺の濃い色が消えない程度でね。

↓そして更に白を混ぜて明るくした色をパネル中心に薄っすら吹きつけ。
退色(色褪せ)表現になります。

↓“操縦席前の反射避けの黒”なんだけど、
真っ黒ではなく、青を混ぜろと指示がある。
…まあ、「なんか真っ黒とは違うな」くらいの程度に混ぜた。

↓主翼の前縁の黄色い部分。
黄橙色の指示だけど、赤っぽ過ぎるかと明るい黄色を少し調合。

↓黄色はこの範囲だ(矢印部)。
尚、さっきの黒い部分にも退色表現しておいた。

↓塗装指示図をよく見るとこの黄色い部分が翼の下面に回り込むのに合わせて
その先の部分の濃緑色も少し下面に食い込むのが正解らしい(矢印部)。
博物館に展示してあるらしき実機の写真はそんなふうになってなかったなあ。
もっとも、最塗装してるだろうからオリジナルの配色とは違うんだろうなー。


思い出した。 …昔、当時のAPCメンバーで京都の「嵐山美術館」ってとこに行き、
屋外展示場で「零式艦上戦闘機」の実物を見たんだ。
なんでも琵琶湖に墜落してたのを引き揚げて復元したとかなんとかで…。
ところが見ると主翼の“日の丸”の位置がやけに内側寄りでサイズもでかい。
自分達はプラモ作るので明らかに“違ってる”と判るんだよな。
タミヤの零戦なんか、日の丸デカールを貼る位置を
前後方向はこのスジ彫りから0.何ミリ、左右方向は
このスジ彫りから1.何ミリ…とか細かい指定があるくらいだ。
折角博物館に展示するんだから調べてもうちょっと正確に
再現して欲しいよなあ、と思ったものである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「雷電21型《参》」

2023年09月05日 | 製作日記 雷電21型
↓主翼部品です。
張り合わせ線の処理をした後、機銃口をピンバイスで開けたりする(矢印部)。

↓で、このポッチリ(矢印部)は本当はもっと飛び出ているのだ。
何かというとココに着陸脚が下りてるかどうかを目視する為の棒が出るんだ。

↓それを真鍮線で再現する(白矢印)。径は0.3mm。
「紫電」でもやったけど鑑賞者があんまり気が付いてくれないようなので
こんどは出っ張りを大きめにした。ホントはこの半分くらいなんだけど(笑)。
尚、当然飛行状態にするなら無くてOKだ。
…で、忘れてた、黄矢印の部分にも穴を開けないと。
20mm機銃は4丁搭載で、ココに銃身が外に飛び出ていないヤツが入ってる。

↓裏側、というか下面。
着陸脚の袋の中は何もモールドが無い。
…まあ、1/72だし下から覗き込む人もいないだろうしなあ、
とかも思うけど自分はDUしておきたい。1/48の他作例を参考に適当に。

↓しっかり塗装指示があるのに部品に無い部分あり。
この“H12”とある部分はキットでは何も無い。

↓物的には尾輪を出した際に隙間を塞ぐ布である。
だらんと垂れて出てくる感じ。…プラ板の切れ端で適当に作っとくかな。

↓プロペラの根元に小さいファンが付いてる。これは「雷電」特有のものだ。
大径発動機で胴体が太くなり、空力特性が悪いのでプロペラを発動機から
遠ざけてカウルの形を絞った。そのせいでこんどは冷却効率が悪化。
このファンは小さくなった開口部から強制的に空気を入れる為の扇風機だ。
…色々苦労してるなあ(^^;。
今回は真鍮線にプロペラとファンを接着して同時に回る形にし、
尚且つ取り外し可能にしたのな(キット内容でもそうなってるが
こちらは一旦接着すると外せない)。
だから1/72の「雷電」の場合、外から発動機が全く見えないので
発動機の部品は無いワケだ。

《へたった紙ヤスリ》
↓余談だけど自分は使い古してへたった紙ヤスリを捨てずに置いておく方である。
特に400番くらいのへたった紙ヤスリは600番くらいのヤスリとして使用。
なんだか新品の600番ヤスリよりマイルドでいい感じの面出しが
出来る、(ような気がする)。紙もヘロヘロになってるから
指の柔らかさに沿う感じだし。 …え?気のせいだろって?
う~ん、でもなんか600番より“へたった400番”を使っちゃうんだよなあ(^^。


     【閑話休題】
↓着陸脚。
着陸状態では蓋は写真矢印の部分で3つに分断しろと。
ゲロゲロ、めんどくせー。飛行状態では一発で閉じた状態にできて楽なんだろうけど。
塗装してから切るべきか、切ってから塗装するべきか…。

↓タイヤの接地面辺りを“D”カット状に削って機体の重量感を出す(矢印)。
こんな小細工でも雰囲気は変わるもんだ。

↓以上をサフブキして仮組みして眺めてみる。 …おお、雷電。
やっぱりこの流線型がカッコイイ。 零戦より好きかもな。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「雷電21型《弐》」

2023年08月30日 | 製作日記 雷電21型
↓操縦席周りを塗装しました。
尚、前回のディテール追加に加え矢印部あたりにもチラホラ追加。

↓計器板はパーツがズンベラボンの平面で、全てデカールに頼る形だ。

↓後で出てくるけど、“防弾ガラスの支柱”が干渉するので
矢印部分に少し切り込みを入れると貼りやすくなる。

↓これが計器板パーツ。
矢印が防弾ガラスである。雷電には敵機の近接火器から
搭乗者を守る為、こんな重ねガラス板が付いていた。
で、計器板は殆どが黒で、デカール貼ってから艶消しにし、
計器部だけクリアーを筆で載せてやるとやや精密感が増す。
…まーァ、風防着けると殆ど見えないんだろうけどな。

↓「紫電」の時みたいにマスキングテープでシートベルトを再現。
今回はまた着陸状態にして搭乗者は載せない予定なので。

↓組立説明書にないパーツを発見(左写真白矢印)。
これは照準器ではないのか。胴体パーツに一体成形されていたので(左写真黄矢印)これは意外。
組立説明書のランナー図にも無かったのでおそらく再販時に追加されたものかと。
照準板を透明に出来るぞ(^^)/。今やると取れる可能性大なので後で付け替えようかと。

↓以上を胴体に組み込んで左右を貼り合わせる。



これで機体外装にかかれるね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「雷電21型《壱》」

2023年08月20日 | 製作日記 雷電21型
残暑お見舞い申し上げます。
自転車に乗って走ると普通ちょっとは涼しいんだけど、
この時期は熱風が顔にあたってよけい暑いです(^^A。

↓終戦記念日近くになってくるとなんだか大戦機が作りたくなってくる傾向にある。
以前から“独り局地戦闘機祭り”で「紫電」、「震電」と作ってきたので
今度は「雷電」、ハセガワ1/72。

↓コレがねー大型のエンジンを搭載しているせいでどうしても胴体が太くなって
しまっているにも関わらず形が流線型でカッコイイ。
それもその筈、これもあの零戦を設計した堀越二郎氏の手によるもの。
上から見ると主翼がスゲー短く見えるけど、比べてみたらマジで零戦より短いです。

↓操縦席をざっと組んでみたらこんな。
まあ結構古いキットだしこの程度の再現度だ。

↓ちょっと実機の写真や、1/48の作例写真なんかを参考に形を追加してみる。
やりだしたら切りがないけど、今回は風防を開ける気も無くあまり作り込んでも
見えなくなってしまうだろうと…。

↓自分の気のせいかも知れんけどこのキットの場合、
このカウル先端の絞り込みがなんかあまいような。
1/32とかのサイズが大きいキットのフォルムと見比べてそんな気がした。
なのでちょっと削り込んでみる(矢印部)。…こういう形が雷電の特徴だから
ややオーバーにデフォルメしてても構わないンじゃないか?

↓で、また同じようにルーターの先の尖ったビットで機体表面に鋲穴をあける。
そこそこ適当にやれる範囲で。精密感がややアップするので止められない。

↓あ、ここの穴(矢印)は本当は貫通してるみたいなのでピンバイスで抜いておいた。

↓操縦席を中に入れて仮組してみる。
おお、やっぱスタイルグンバツ。
しかし兎に角操縦席に色を塗って仕上げてしまわないと
胴体が張り合わせ出来ないし進まないよなあ(^^;。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする