カシメルマンはBARにおるんちゃうか

≪スケールモデルからアニメキャラクターまで、
幅広い分野の模型製作を詳しく解説!≫
(小さい写真はクリックで拡大)

「ノストロモ号 製作工程(前編)」

2021年05月29日 | 製作日記「ノストロモ」
自分的にヒイキにしているSFメカの代表格は「SW」の“ミレニアムファルコン”と
「エイリアン」の“ノストロモ号”である、というのを以前記した覚えがありますが、
この2つについては無事過去にモケイ作品として製作することが出来ました。
しかし前者の製作工程は紹介しているものの後者は本ブログ開設直前の完成だった
(2013年9月)ため完成品写真の簡易な紹介しか出来ていませんでした。
このノストロモ号も詳細な製作過程の記録写真が残っていたのでここで短縮形で
紹介したいと思います。

キットはハルシオン/ツクダのソフトビニール製。スミマセン、パケの写真が残ってないです。
記憶の限りではこのアイテムのインジェクションキットは発売されていないと思います。
モデルの全長は30センチ以上あり、幅も20センチオーバーとかなりのボリューム。
このサイズでソフビ製となると先ず自重による経年変形が心配になってきますよね。
製作はこの問題の対策から始まります。

以前ウチ(モデリングサークルAPC)に居たメンバーの一人が過去にこのキットを
組もうとした際、変形対策として“発砲ウレタンを中に詰め込む”方法をとったそうです。
しかしこれが難しい作業で、量を間違えたかウレタンが固まる過程で膨らみ過ぎ、
ソフビの船体がパンパンに膨れてしまってオシャカになった、というハナシを聞き恐怖しました。
考えたあげく自分が取った方法は“プラ板と金属パイプによる内側の補強”でした。

↓これは胴体中心部のパーツを前から見た画。
1.5mm厚のプラ板をおおよそ弛んできそうな場所に仕切り状に立てて補強。
中にウレタンとかプラキャストを詰め込むワケではないので細かい歪みは仕方なし。
しかし重量が断然軽いので着陸脚へのストレスも少ないのだ。
左右にブチ抜いた太目の真鍮パイプは両エンジンナセルと胴体のタワミを防止する為のもの。

↓外に突き出た真鍮パイプにエンジンナセルを突き刺し、後方から見た画(左写真)。
中でパイプがヨタヨタ動かないような対策をした。
ここは中心に一枚プラ板を立てたのみ。因みに展示会等への輸送を考え、
この真鍮パイプは引き抜いてナセルが分解出来る仕組みとした。
着陸脚がエンジンナセルに付く為、この一直線の保持は必須となる。

↓組立説明書では75gのオモリを船首に入れろとの指示あり。
3本足で立てた時にそのままだと航空機モデルのように絶対ウィリーするのだ(笑)。
後部噴射口辺りに付く大量の部品を思うとつい不安になり、
ここは思い切って100g以上ある鉄棒のブツ切りを入れた。
保持方法としてはプラ板で囲ってしまい、タワミ補強との二役を担う部品を作成。
これを強力な瞬着でガッツリつけてカタカタ動かない状態とした。

↓胴体はざっくりと前、後ろの2部品なのでこれも接合部でのタワミ防止の為
先ほどのツッパリ役のプラ板から5mm角棒を長めに出っ張らせて強力に固定できるようにした。
尚、写真右のパーツ(後部部品)の下から水平に張り出した板は左のパーツ(前部部品)の
断面下辺りに見える長方形の板に当てる形で接合。オモリの位置、重量配分からすると
胴体前後は山形に折れるような荷重がかかるとして、上の角棒は引っ張り、
下の板は圧縮荷重対応となっているのだ。

↓メインパーツを組み立てるとこんな感じ。 …おお、ノストロモ号。
中はあちらこちらプラ板の仕切りだらけなので手で歪めようとしても歪まなくなった。
これでソフビキットの下ごしらえが終了。

↓今から10年くらい前に、劣化して傷んでいた映画のプロップモデルをレストアした
という記事をネット上にて発見。その時の資料写真が大変役に立った。
それまで見たことも無い角度からモデルを撮影した鮮明な写真が大量に入手出来たのだ。
実は作らずじまいで積んであったこのキットを引きずり出す気になったのは、
この写真の数々を見たところによる。
…で、見比べて一番気になった双方の乖離部分はこのテッペンの7角形の中。
これはノストロモ後部の巨大な精製プラント部分との接合部。
トレーラーで云うとコンテナとのジョイント部である。
キットにはこの様な真ん中にタイヤのような円筒が出っ張った形状があるが
プロップ写真では全く違っていた。そこで自作したのが写真右下の部品。
先ずこれをキットの凸を切り飛ばして替わりに配置。

↓更に入手したプロップモデル写真から、出来るだけ詳しく表面の凸凹をディテールアップ。
いいキットではあるものの、流石にソフビのモールドはドンヨリしていてメリハリがない。
こうするとまるでインジェクションキットのようなメリハリが再現できる。
性格的に自分はコレが一番楽しい作業でした(^0^)/。

↓矢印の部分は脱出艇ナルキッソス号の格納庫。
これ実はプロップモデルの写真には無かった。
映画本編に出てくるナルキッソス号の格納庫はどこの部分なのかと自分で推理。
映画を観た人なら憶えている方もいると思うのだけど、船体下部の
大きな“コ”の字の凹の中程にあることから、場所的にココしか考えられないと断定。
とすると左右に一対存在することになる。自分なりの推理ディテールアップなのでした。

↓船首パラボラアンテナ、エンジン噴射口の周囲を囲むように付いた
四角い板、等の部品はABS樹脂製。瞬着ではなく普通の接着剤でディテールアップできる。

↓おおよその部品がみんな付いたので着陸脚で立たせてみる。…お、自然に立ったぞ(^^)。
案の定、後ろのボリュームが凄いのであの鉄棒のオモリは正解だったのな(^^A。
しかしなぁ…全長240メートルの宇宙船がたった3本の脚で着陸なんて結構過激な設定だ。

↓どんどん行きます。
同じくABS樹脂製の部品に竿状の各種アンテナ類がある。
写真矢印の7本はオリジナル部品が太く、なんだかいい加減な形に思えたので
使用せず真鍮線とプラ板で自作。その他、写真手前に伸びた数本の大きいヤツは
オリジナル部品に追加ディテールアップ。

↓これにて全ての部品が付いた形になった。

後編に続く…。
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「ファイター1《6》」

2021年05月20日 | 製作日記 ファイター1
↓背面と腹面にあるスリットはもうガンダムマーカー(スミいれ用)でやっつける。
筆でチマチマ入れてて「!あ、はみ出たー…」とかやってるよりよっぽど早い。

↓スジ彫りはウェザリングカラーを流して、キツメに入れたいトコは
水性のPIGMAペンで描き込む感じ。

↓…と、遂に来た。このデカール、多分死んでるだろうなあ。

↓お!! …いけてしまった(笑)。20年以上経ってる筈なのに!
嬉しいのか残念なのかフクザツ…。というのも、この“1”はなんか小さいし、
“J”の縦棒の傾きが甘いと思っていたので「ダメだったら自分で好きな形に
マスキングして書こう」と腹つもっていたからである。
だから使えてしまったのが返って意外だったf(^^;。…でも折角使えたのでこれでいこう。

↓市販の注意書きデカールをカットしてパイロット名が
書いてあるような雰囲気のマーキングも追加(矢印)。

↓デカールを固める為にトップコートを吹きつけ。
このアイテムはもう光沢のテカ仕上げでいきますわ。

↓例の噴射炎のアクリル棒はクリアーオレンジと
フラットホワイトでグラデーション吹きする。

↓作っておいた台座にニスを塗り、PCで出力したネームプレートを
両面テープで貼り付け。いやネームプレートとは云いつつ、
ただのペーパークラフト用の厚紙だけどな。

↓これが完成形。観覧お疲れ様でした。
…上向きに立てたせいで当時100円のキットにしては物々しいボリューム。
スピード感も多少アリ。



↓今回はレジンで複製とまでしなかったけど、
もし“ファイター2”と2機あったらアクリル棒の長さで高さを変え、
もう少し大き目の台座に並べるとイイ感じだったのかもなあ。


アテにして“ZIMA”飲んでます。
ジーマ、よくBARの光電管ネオンとかにこの名があるのを見かけた気がする。
飲んでみると第一印象はアルコールのサイダー割り。しかも度数4%。
…うーん、自分は濃い目の酒が好きなのでちょっとパンチが足らないかも。
最近は発泡酒でも6%あるので4%だと「…ン?もしかしてノンアル?」と
思ってしまった。ZIMA好きな人スミマセンf(^^。

「クラッシャージョウ」は80年代当時、「マクロス 愛・おぼえていますか」と
並んで劇場版アニメーションとしては注目の作品だった。
当時モノのプラキット、「ミネルバ」とか「コルドバ」とかも作りましたよ~。
ビデオも持ってたんだけどベータマックスなのでもう観れない(泣)。

登場メカは山ほどあって、かなりキット化されてましたよね。
面白いのはもの凄い未来なので“ベンツ”とか“BMW”とかの自動車が
全て反重力というかエア・カーになって出てくる。それはいいんだけど
フロントグリルとかのデザインだけがもろ1980年代のイメージのままで、
後ろの方だけエア・カーらしくなってるというセンスが素晴らしい。
だからちゃんと誰が見てもベンツやBMWに見えるんだ。
これもキットがあったんだけどこの100円シリーズだったので
形がどれも不恰好で残念だったのが悔しい。
ホントはもっと平たくてカッコイイのだ。
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「ファイター1《5》」

2021年05月12日 | 製作日記 ファイター1
↓着色していきます。
ファイター1はブルーとホワイトの2トーン。
色合い的に自分はファイター2の方が好みなんだけど、
一機しか作らないのでやっぱりファイター1にする。
最初は明るい方のホワイトから吹く。例によって若干アイボリーに振った白を調合。

↓ブルーの方はクレオス80番コバルトブルーをベースに、
ミディアムブルーで少し濁らせてからスカイブルーで明るくしたイメージ。
セル画を見ても、真っ青ってワケじゃないよなー。ちょっとグレー系に濁らせて
明るくした色の方がオモチャ臭さは無くなる。

↓キャノピーフレームは“ブラックグレー”みたいな色してるけど、そんな暗い色を
先に塗ったら窓の発色がさせ難くなるので先に窓から塗る。
窓は濃いピンク色のスモークがかかった感じだけど、コックピット内が
透けた感じを考慮して“赤紫”みたいな色を作った。

↓続いてそれを明るくした色でハイライトを付ける。
この透明じゃないのに透明っぽく見せるのって難しいよなあf(^^;。
バンダイの“メカコレ”なんかには必要な技術である(笑)。

↓そして窓とボディーにマスキングしてブラックグレー。

↓噴射ノズル周囲の色はセル画では水色とグレーの間みたいな色を
塗ってあるけど、これはメタリック色を表現しているのではないかと。
某雑誌に掲載のちょうぎ氏のハセガワ製の作例でもメタリック色なのでそれに倣おう。
メタリック色を青色に振るにはクリアーブルーを混ぜるのがいいようだ。

↓設定画のエアーインテイク孔の部分は物々しい黒なので
まんまその通りに着色。これは多分、影の表現なんだろうけど、
こうすると視覚的にグッと設定画に近くなる。

↓ノーズ横のバルジにオレンジを筆塗り(矢印部)。
あと、さっきのキャノピー窓にクリアーレッドを重ね吹きした。

↓以上でこんな状態。



…次回は詳細塗装っス。
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