オープニング・ナイト フィルハーモニック -3-
さて、そうこうするうちフィルハーモニック・ホールの記念すべき第一夜が始まった。最初に出る音はなに?
1962年9月23日(日) 9:00P.M.
ベートーヴェン/ミサ・ソレムニスよりグロリア
ドナルド・ベル、
アイリーン・ファーレル、
シャーリー・ヴァレット・カーター、
ジョン・ヴィッカース
コープランド/オーケストラのためのコノテーション(世界初演)
ヴォーン・ウィリアムズ/セレナーデ
アデーレ・アジソン、
ルシーン・アマラ、
ドナルド・ベル、
チャールズ・ブレッスラー、
リリ・チョーカジアン、
アイリーン・ファーレル、
エツィオ・フラゲルロ、
ジョージ・ロンドン、
ジェニー・トゥーレル、
リチャード・タッカー、
シャーリー・ヴァレット・カーター、
ジョン・ヴィッカース
マーラー/交響曲第8番 パートⅠ
アデーレ・アジソン、
ルシーン・アマラ、
リリ・チョーカジアン、
エツィオ・フラゲルロ、
ジョージ・ロンドン、
ジェニー・トゥーレル、
リチャード・タッカー
ジュリアード・コーラス
スコラ・カントラム
コロンバス少年合唱
レナード・バーンスタイン指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
という4本立てであったが、実際には冒頭のグロリアの前に、アメリカ国家斉唱とチェアマンであるロックへラー三世のお話しがあった。
演奏は華々しくも冷静。合唱が取り乱したようにバーンスタインに駆り立てられるなか、オーケストラのほうはいたっていつも通りの演奏をしている。バーンスタインの指揮に普段接していない合唱は、みたこともないあまりの激しい指揮についバランスをくずしたみたいだった。
河童の咳払いが入っているかもしれないこの日の演奏の、まるごとLP、は記念に河童洞窟に飾ってあるが、なんせ、アナログ・プレーヤーがうまく動かないため、ここは皿の出番。皿のふちで盤面をなぞりながら聴いてみた。その前にケースのカビ臭がかなり皿につく。一度天日干しをしなくては。
録音は細身ながらそれなりに聴こえてくる。一枚ベールをかぶったような音になっているのが悔やまれる。それともこれが最初のフィルハーモニック・サウンドだったのかもしれない。
COLUMBIA RECORDS
LEGACY SERIES
L2S 1008 STEREO 2枚組
8番だけだったらCDで聴くこの2枚組などどうかしら。
SONY SM2K 63159
・マーラー/交響曲第2番復活全曲(定番の音源)
・マーラー/交響曲第5番より第4楽章アダジェット
1968年6月8日
五番街にあるセント・パトリック教会でのライブ
ロバート・ケネディーの葬式
・マーラー/交響曲第8番 パートⅠ
1962年9月23日フィルハーモニック
オープニング・コンサートより
という、まことに河童界でもあり得ない組み合わせ。
復活あり葬式ありオープニング記念公演あり。
なんでもありのとんでもCD。
聴き方が難しい。
それでも昔DGから出ていたカラヤンとムラヴィンスキーがカップリングされたCDよりは心臓への負担が少ない。
(続く)