2018年7月13日(金) 7:00pm コンサート・ホール、オペラシティ、初台
ブラームス 悲歌 13
合唱、東京シティ・フィル・コーア
Int
ブルックナー ミサ曲第3番ヘ短調WAB.28 10-11-17-2-8-8
ソプラノ、橋爪ゆか
メッゾ、増田弥生
テノール、与儀巧
バス、清水那由太
合唱、東京シティ・フィル・コーア
飯守泰次郎 指揮 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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なかなかシックなプログラム、いい作品、いい演奏に癒されました。
追悼の悲歌、大変に力強い演奏でした。浄化のパワーは力強い合唱により表現、これらの力というのは質感が同じものではないという事は無くて、同じであることもあるはずだと思わせてくれる。力学的な力強さによる浄化のパワーを表現。
合唱が圧倒的に充実している。強靭なソプラノをはじめとして前面に広がる音場。ユラユラ揺れるオーケストラ、わけてもベースの醸し出す余裕のホール感。一体となった見事な演奏でした。
後半のブルックナーはさらに雄弁に。ソナタの型にはまらないブルックナー音響、満喫しました。2tp-3trb-2hrの鳴りは奥ゆかしきもので、弦とのバランスがお見事。コーラスは3階席の奥に座っていても近すぎるのではないかと錯覚させるような強力なもので、なるほど、ピッチさえぴったりと合えば、妙に気張らなくても透き通った声は奥まできれいに響き渡るものだ。
飯守の棒は冴えていて殊の外、サッパリ系で進む。濃厚なテイストはひとまず横に置き、このあまり演奏されることの無い作品の内面の理解のための棒発信だったように聴こえた。
最後のアニュス・デイのあっさりとしたエンディングは多弁不要、音楽に語らせる棒であって、はじめからここまでそのスタイルは変わらず。充実の6曲、かみしめるように味わい尽くす。
圧倒的な合唱に対しソリストはパワー不足を否めないけれども、どうも、あまり聴こえてこないブルックナーの筆のせい、そんな気もする。
いずれにしてもレア生のブルミサ3、メディアで聴いているものとは随分と違う印象。奥行き立体感、彫りの深さ、説得力の大きい3次元でしたね。
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5月の公演では3階席を少しクローズしていましたが、この日はそんなことも無くてだいぶ良い入り。それでも空席が少なからずあるのは寂しい。いい内容、というのは結果的なところもあるけれども、ここのところ好調ときいているし5月の定期もたしかに素晴らしかった。そのときにすぐに買った今日のチケット。珠玉の演奏でしたね。それに選曲の良さが光る。
2552- はげ山の一夜、素朴な交響曲、ラフマニノフPC3、清水、高関、シティフィル、2018.5.9
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おわり