河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1495- キャンディード、ニュー・イングランド、パリアメ、ウエストサイド、ヒュー・ウルフ、読響2013.7.13

2013-07-21 10:00:00 | インポート

2012-2013シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから。
2012-2013シーズン
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2013年7月13日(土)2:00pm 東京芸術劇場
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バーンスタイン  キャンディード、序曲
アイヴス  ニュー・イングランドの3つの場所
ガーシュイン  パリのアメリカ人
バーンスタイン  シンフォニック・ダンス
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ヒュー・ウルフ 指揮 読売日本交響楽団
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芸劇と略すらしい。(以前はこのような略はしてなかったと思うのだが)
しばらく来ていなくて、例の長いエスカレータが無くなり二つ折れの新たなエスカレータに替わってからはじめて来た。この地はどうも足があまり向かない。この日はウルフの指揮だったので来てみた。そういえば、前回ここで聴いたのはウルフの第九だったかと。
当日券をチケット売り場で買った。お奨めに従って買ったのが3階両翼センター寄りの2列目。2階の中腹より下に下がっているのではないかと思うぐらい低位置で3階とは名ばかりで2階レベル。非常に見晴らしがよく、オーケストラの配置やステージの奥行き等がよくわかる。このホールには何十回ぐらいは来ていると思うが、街がどうも馴染まない、違和感のようなものがいまだにある。空中ホールというのも少し抵抗を助長している。
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この日のプログラムは短いもので、休憩はガーシュインのあとなので後半は一曲のみ。パリアメがやたらとでかく感じたコンサートだった。
聴く前は、アイヴスの曲お目当てだったのだが、鳴り具合を比べると一番小規模で結局、他の曲に耳が奪われてしまった。一曲目のキャンディードが終わった後、プレイヤーがごっそりいなくなった。半分とまでは言わないが、本当にステージから人がいなくなった。これでニュー・イングランドの第2曲がうまく鳴るのかなと思うぐらい少な目。生で見聴きするとこんなものなのかもしれない。ノリよりもむしろひかえめで響きを大切にするような演奏だった。第2曲目が曲全体から見れば違和感ありすぎな鳴りなんだろう、きっと。
何十曲織り込まれているのか知らないが曲の絡み合いでは同一コンセプトと思われる交響曲第2番の方が格段に面白い。(付け加えると2番のエンディングの不協和音はバーンスタイン&NYPのDG盤がユニーク。)
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それでこの日のオール・アメリカン・プログラムはショート・プログラムでこれ以上並べられたらおなかが一杯以上になってしまうので、腹八分目ぐらいでちょうどよかったのかも。
ウルフは、曲のノリの部分で聴かせることはせず、飽くまでも大編成のオーケストラの響きと構成力で聴かせる。
一曲目のキャンディード、日本の指揮者たちがよく見せる逆輸入したような「小躍り似せノリ」といった見苦しい動きが皆無。これだけで100点満点としたい。ハーバードのノリなのか?
曲の内面というとまた具体的にどうゆうこと?という話になるのだが、表面的という言葉をうわべだけで、音の効果狙いと換言出来るとすれば、ウルフは音楽の内面に光りをあてた考え抜かれた演奏ということができる。のって滑っていくような落ち着かない解釈は作曲者の考えたものを十分に出しているとは言い難く、こうやって落ち着いて構成感をだしながら演奏を進めていくと作曲家の思いというものがよく理解できるようになる。縁取りが非常に明確な演奏。ただ、このスタイルで劇にはいっていくとそれはそれで少し大変かなという気もする。かなり真面目な指揮者ではあるし、縦に進む圧倒的な演奏ではありました。
2曲目のニュー・イングランドは結果として第2曲の唐突さ加減に違和感が残る。彼の交響曲の面白さをある程度知っていれば、前提有りで聴きとおせると思うのだが、初めて聴く場合戸惑う曲かと。アイヴスの場合まず、「答えのない質問」で彼の少なくとも片面の理解は進むと思うので必聴。そして交響曲第2番のフィナーレ。
3曲目のパリアメ、こうやってあらためて聴くとかなり大がかりな曲と感じ入る。普通に聴いているぶんには、水平的で重心が軽く、音響の色彩と技で聴かせる、そんな感じの曲だと思うのだが、この日の演奏はウルフの棒のせいなのか、このオーケストラ独特の重心の位置のせいなのか、薄っぺらさが無い。音の層が何層にもなって聴こえてくるから不思議。このようなバランス感覚はシンフォニックなものであると思う。オーケストラと指揮者が紡ぎ出した音、心地よい。
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後半は20分強のピースが一曲のみ。ウエストサイド・ストーリーを編曲したシンフォニック・ダンス。曲名通りで、まさしくこの日の指揮者の方針そのものだろう。シンフォニックなものはドラマチックな表現が似合うかもしれないが、ウルフは過度の劇的表現をするわけではない。ひとつひとつきっちりとフレーム感を明確にし、それを積み重ねていくだけなのだが、それはやはり良質の音楽表現であると思わざるをえない。
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読響の重量感溢れる見事な演奏は「アメリカもの」のイメージを一掃した。このオーケストラの特色と指揮者の思いが見事に合致したいい演奏会でした。
ありがとうございました。
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ちょっとくどいですが、次回来日の折は、アイヴスの答えのない質問と交響曲第2番を是非お願いします。これでは時間が余るので、コープランドも合わせて、こんな感じで。

【ヒュー・ウルフ指揮YSO、次回来日希望プログラム】
1.コープランド 市民のためのファンファーレ *ブラスのスタンディング演奏で
2.アイヴス 答えのない質問 *ホール全体を使った弱音演奏で(ステージだけでなく)
3.コープランド エル・サロン・メヒコ *ヘビーな読響サウンドで爆進願います。
休憩
4.アイヴス 交響曲第2番 
*最近のスタイルではなくバーンスタイン時代モードに切り替えた演奏をお願いします。

以上です。


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