オペラ前日の華金は、ギフト券をもって九兵衛に行ってみるも、その青天井というか底なしというか暴挙のようなプライスに感動し、つい力なく笑ってしまう。ギフト券はむだであった。二人で一流どころの来日オペラハウス公演の上席を2枚買えそう。今日の公演ならS席を5枚買える。
ここまでして喰らう食い物だ。たしかにうまい。仕込みに時間をかけているのがよくわかる。練習を重ねたオーケストラの音と同じ。。
蒸鮑にバターさえ染み込んでいなかったら100点満点だ。
ということで、青天井には青天井で。というわけでもないが、結局3軒はしご。
連れは疲れない模様だが、こちらは軽いのは財布だけ。身も心も重い。
それで華金翌日。奮い立って夜の上野に向かう。
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2008年9月20日(土)18:30-21:50
東京文化会館
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モーツァルト/フィガロの結婚
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指揮/マルティン・マージク
演出/マルティン・オタヴァ
演奏/プラハ室内歌劇場管弦楽団、合唱団
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アルマヴィーヴァ伯爵/イルジー・クビーク
ロジーナ伯爵夫人/イヴェタ・イルジーコヴァー
スザンナ/クセニーナ・ポドルコーヴァー
フィガロ/パヴェル・クレチュカ
ケルビーノ/ヤナ・ドヴォルジャーコヴァー
マルチェリーナ/ヤルミラ・コシノヴァー
バルトロ/イェフヘン・ショカロ
バジリオ/ミロシュ・グチ
クルツィオ/ヨセフ・モラヴェツ
バルバリーナ/リブシュ・ミリュースカー
アントニオ/ミロスラフ・ウラバーネク
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1965年設立、プラハ国立歌劇場、プラハ国立劇場、チェコフィルなどのメンバーからなる40人規模のオケ、10人規模の合唱団。実態ははよくわからないが、こうして来日しているから本物だろうし、最初の鳴りからして、チェコ・フィル等のように弦の一本一本が分解されて、小川を流れるせせらぎのような独特な響きである。ただ、チェコ・フィルのようなベラボーな管ではない。オペラのエンジンかかりにくいノリはわかるがこのオペラはまず序曲をきっちりこなさなければその後のワクワク感がいまひとつでてこないのだ。聴衆のノリもぱっとしない。
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少人数の為かどうか最初はさっぱり音楽の陰影のようなものが見えてこず、これは楽器が少ないためオケとしての音色の出し入れがままならないためだろうが、そんなこといったら聴くほうも贅沢になったものだが、それはそれとしても、歌とオケの縦の線が不揃いなため、指揮者の悪戦苦闘にもかかわらずあまり改善されないまま2幕まできてしまったが、その2幕も終わりに近くなって巨木のような庭師アントニオがでてきたあたりから、なぜか音楽が滑るように生き生きしてきて活気づきはじめた。
すぐに休憩になってしまい流れが止まるかと思われたが、その後の3,4幕、特に4幕は音楽の力もあり、まずはめでたしと言ったところか。
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休憩といえばとんでもない休憩。
この4幕もので1回しか休憩がないという暴挙。
最近フィガロを観たのはいつだったか記憶にないが、昔、メト座の河童の頃は、しっかりと3回休憩をとっていたものだ。公演の夜中終了はメトでは当たり前。
それでこの日はどうかというと、
第1