2693- リゲティ、ルーマニア協奏曲、フランセ、クラリネット協奏曲、シューベルト8番、ポール・メイエ、山形交響楽団、2019.4.20
2019年4月20日(土) 7pm 山形テルサ
ジェルジ・リゲティ ルーマニア協奏曲 3+2+1+6
ジャン・フランセ クラリネット協奏曲 6-5-3-6
クラリネット、ポール・メイエ
Int
シューベルト 交響曲第8番ハ長調ザ・グレートD.944 13-12-9-11
ポール・メイエ 指揮 山形交響楽団
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このオーケストラを聴くのはお初です。と、思ったのだが、コンマスさんの顔を拝見して、たしかどこかで聴いたことがあるなあと。記憶探索中。
メイエさんのクラは昨年2018聴いたばかり。
2534- ナッツクラッカー、モツクラ協、ドビュッシー、狂詩曲、メイエ、ハルサイ、カンブルラン、読響、2018.4.13
ナチュラル・インストゥルメント・スタイルの陣容で概ね8-7-5-5-3編成かと。やや硬めで渋めのサウンド。1500人キャパのホール、余裕の響きですね。
昨年メイエさんのクラリネットを聴いた時は、身体をほとんど揺らさないもので正確なプレイが前面に出てくる印象が有りました。今日は吹き振り。
リゲティ初期の管弦楽曲ルーマニア協奏曲はこれまで聴いたことがあったかどうか。後期のいわゆる現代音楽ものとはまるで異なるとはいえ、ひとつぬけている感じがあって明確な縁取り。バルトーク風味を感じさせる。協奏曲とあって、なんの協奏曲なんだろう、オーケストラのためのものなのか、ルーマニアのものなのか、判然としない。取り方によっては別位相の話になりますね。リゲティの作品は無から自力で作り上げたという実感があり、そういったものの原点を垣間見た気がした。
オケの渋めのきっちりとした押し出し、粒立ちの良いサウンド。作品の言わんとするところがよくわかる佳演でした。
次のフランセは吹き振り。副指揮者の名前が挙がっているが見ていてもその気配は感じなかった。宙に浮く様な流れのオーケストラ伴奏に乗ったメイエの鮮やか仰天技にびっくり。
約20分の大きなもの、昨年同様あまり体を揺らさない吹きっぷりながら困難なパッセージも頻発でちょっとした動きがそういったことを物語っているし指揮もしているなあと、大変さがよくわかる。フランセの作品は軽い感じに聴こえてくるがよくよく耳を澄ましてみると作為的なところはそこそこでナチュラルな飛び跳ね。プレイヤーの揺れない音がよく作品に寄与していると思う。曲の事がよくわかりました。メイエさん絶品の活き活き演奏に拍手。
後半はシューベルトのグレイト。クラリネットのあとはタクトとこれまた大変。
ナチュラルな楽器による響きは心地よい。初楽章提示部リピートなどはもう一回繰り返して欲しいなあというぐらいだ。シックな色合いのサウンドが滑らかに全体像を造っていく。
これも満喫できました。素敵な演奏に舌鼓。
ありがとうございました。
おわり