2018年4月21日(土) 6:00-7:35pm みなとみらい
ドビュッシー没後100周年 オール・ドビュッシー・プログラム
小組曲(アンリ・ビュッセール管弦楽編曲版) 4-4-3-4
クラリネットのための第1狂詩曲 8
クラリネット、伊藤寛隆
Int
神聖な舞曲と世俗的な舞曲 4-6
ハープ、松井久子
海 9-7-9
(encore)
ゴリウォーグのケークウォーク(管弦楽版) 2
ピエタリ・インキネン 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
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ドビュッシー没後100年記念プログラム。
ソリストお二方はオケ自前。
大変に短いプログラムで、休憩が無かったら1時間もかからないもの。もうちょっと曲数を増やしてほしかった。牧神などを入れればいいプログラムになっていたことだろう。
芳醇なサウンドで語られるドビュッシー。厚みといい、柔らかさといい、ともに極上で濃厚ウィスキーの味わい。その上澄みをひと口含めば滴りこぼれ落ちる音の粒のようで、つい、最後の一滴まで味わい尽くしたくなる。ドビュッシーの色が見えるようなビューティフルな演奏に舌鼓。
最初の小組曲は思いの外大掛かりな編曲もの。聴きごたえ十分。日フィルの充実した演奏でしたね。柔らかくて引き締まった演奏は粒立ちよくて全部いい方向を向いている。素敵な演奏。
後半の締めは海。ゆっくりとしていて、波の音、太陽、大海、色の変化で情景を楽しませてくれる。真綿の様な演奏でした。
この2曲に挟まれて、ソリストを立てた2曲。第1狂詩曲はこの前、メイエさんの演奏を聴いたばかり。日フィルの伊藤さんはもはや重鎮。味わいをひとつずつ噛み締めていく。クラリネットのソロをフルートにすればすぐそこに牧神がいる気配の作品。でも、フルートのパートは既に3人で吹いている(笑)。いかにもドビュッシーという配色で楽しめた。
もう1曲はハープのソロ。大変そうだけれども明確に響くハープは大波小波、楽器の音を満喫できました。舞曲のリズムを取っていくのがとても自然に聴こえてくるけれども、きっと大変なんだろうな。
デリシャスな演奏の4作品。短い演奏会という配慮からかアンコールがあったが、これも短い(笑)。大編成編曲の迫力はオーケストラを聴く醍醐味ではある。
おわり