2015年6月15日(月) 7:00 サントリー
シェーンベルク ピアノ協奏曲 20′
ピアノ、ウィリアム・ウォルフラム
Int
ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調 20′10′15′15′
アンドリュー・リットン 指揮 東京都交響楽団
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P席最前列の客がトラブル退場になった演奏会。前半〆たところでステージを怒鳴り散らし、事務局のスタッフに追い出されたらしい。
それであってもなくても、前半のシェーンベルクにブーがでる理由など原因がなんなのかわからない。まるで演奏会が嫌いでブーしている感じ、これならいやがらせ目的での入場でしょうか。何か別のことで気分を害していたのかもしれないが、近くの席だったらたしなめて制止させる必ず。
シェーンベルクのコンチェルトは、丹念な演奏でこれ以上分解できないぐらいの因数分解。音の羅列が別の意図を感じさせる、12音階ルールをかき消すような素晴らしく明晰で美しいもの。伴奏のオーケストラがこれまた同列のピュアなサウンドで隙間なく流れていく。ハイレベルでハイテンションなサポートがお見事。リットンの合わせ技ですね。
先ほどのブーイングのことですが、それがこの曲の前衛的なことに対するものであれば、それは100年とは言わないが随分と遅れてきた話と言わざるを得ない。この曲を聴きこむしかない。
ピアノソロ、オーケストラ、指揮、3拍子揃って難曲を高みへ導きました。
後半のラフマニノフは巨大な演奏。各主題とともにその経過句までくまなく光をあてたもので、細部まで神経がゆきとどいている。時間を感じさせない大きな演奏でした。
終楽章のコーダ前のブラス主題のつまずいたような進め方ユニークでしたね。リットンも色々とこだわりのある曲なのでしょう。
ブラスの活躍は目覚ましいものでしたが、ホルンだけは冴えない。受け身というか楽譜をなぞっているだけの演奏で音楽が生きてこない。ここはちょっと残念。他はほぼパーフェクトなプレイでした。
リットンの作品への共感度の高さ、巧みなオーケストラコントロール、言うことなしです。
おわり