2016年11月29日(火) 7:00-9:15pm さくらホール、渋谷区文化総合センター大和田
モンテヴェルディ ポッペーアの戴冠、組曲(1642) ブラス9 1′4′1′
ラムゼー 金管四重奏曲第5番 tp-tp-hr-tb 5′3′3′5′
リーム シネ・ノミネⅠ(1985) tp-tp-hr-tb-tb 9′
シャルリエ コンクールのための独奏曲第2番 5′
Tp、川田修一、 ブラス8
Int
シュニーダー 4つの短い物語(2000) ブラス9 1+1+1+1
藤原功次郎 ピアノ協奏曲 僕たちはどこで間違ったんだろう(2016)
憎悪 tp-tp-hr-tb-tb 7′
感謝 hr 6′
ピアノ、藤原功次郎
クレスポ アメリカ組曲第1番 tp-hr-tub-tb-tp 2′4′3′
ピアソラ ブエノスアイレスのマリア、組曲 ブラス9 10′
(encore)
菅野祐悟 軍師官兵衛 3′
Tb、藤原功次郎、ブラス8
演奏、Brass Ensemble ZERO
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10人のアンサンブル。ひとり留学中で9人のアンサンブルでの演奏会。そのため、
ブラス・アンサンブル・ゼロ マイナスワン
というネイミングでの公演。
オーケストラ・ゴアーズにとってはなじみの顔が並びます。
プレイヤーの皆さん、ヤングガイでサウンドも若々しくて張りがあり、天井の高いこのホール、響きがよく伸びていく。素晴らしい演奏でした。
モンテヴェルディ
2曲目の「ただあなたを見つめ」濃い演奏でモンテヴェルディを満喫。伸びていくサウンドが心地よい。すっきり。
ラムゼー
がちがちのソナタ形式。メリハリのきいたプレイで、切り替えが機敏。腕達者でフォルム認識もすごいもんですね。
リーム
シネ・ノミネⅠは1985年の作。目新しいものはない。オーケストラ作品のブラスセクションのパートを切り取ったような響きの具合。当時のアカデミックな斬新さとそれ以前の古いものが混ざっているような作品。流れるところとアクセントつけてアタック、これらの絡み合い。
演奏が研ぎ澄まされていて堪能しました。
シャルリエ
編曲のせいか、ソロがブラス8人衆にときおり埋もれる。殊の外柔らかい曲。
シュニーダー
分かりやすいショートピース。流れのいいプレイでノリがあって活力がある。
オクテットのための曲とあるが9人いたようです。
藤原功次郎
JPOでおなじみのかたの自作自演。作曲とピアノもやるとは知らなかった。
2ピースの構成。副題は全くのミスマッチと感じる。両ピースともに甘口がまさる。
1個目の伴奏プレイヤーたちの含み笑いのようなあたりが気になる。ピアノ・ヴィルティオーゾ作曲家の写しのようなものだからなのかしら。両腕の指の動きは達者ですね。
2個目は伴奏は引き揚げ、ホルンのみ残る。スローなもので、なにか、ホルンソナタのアダージョ楽章でも聴いているような味付け。この腕前とトーンの特色、所属オケのサウンド特性をよくあらわしていますね。
クレスポ
これもノリの良いピース。アメリカ大陸にあるものを題材にしている。合衆国はそれに含まれるもの。素材を並べた作品でブラスの響きを楽しむもの。はじけるようないい演奏でした。
ピアソラ
3曲ピックアップの組曲で連続演奏。ピアソラはひところ大ブレークしましたけれども今はブーム下火なんですかね。それとも通奏低音のようにポピュラーなものになっているものなのか、ちょっとわかりません。ダンスミュージック風味。スモーキーなシーンが浮き沈みするような音楽。目に見えるものがあればさらに効果的だったでしょう。ブラス演奏での沈みこむような味わいは簡単ではない。
踊りがつけば臨場感が増すだろうなと感じた。
以上、大変に楽しめました。良かったです。
付
昨年(2015.12.12)、日フィル定期でヴォーン・ウィリアムズのチューバコンチェルトを吹くのを聴きました、その柳生さんの目立つ出番はありませんでしたが、次回は是非とも彼が活躍する作品もとりあげてほしいものですね。
おわり