河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2243- 旅Ⅶ、ベルワルツ、ゴルドベルク、アンサンブル・レゾナンツ、2016.12.15

2016-12-15 23:17:27 | コンサート

2016年12月15日(木) 7:00pm 小ホール、東京文化会館

CPE.バッハ フルート協奏曲イ長調Wq168  5′10′5′
 フルート、瀬尾和紀

細川俊夫 旅Ⅶ(トランペット協奏曲)    18′
 トランペット、イエルーン・ベルワルツ

Int

JS.バッハ ゴルドベルク変奏曲
(DY.シトコヴェツキー・アンサンブル・レゾナンツによる弦楽合奏版) 61′

(encore)
バッハ ゴルドベルクより  1′

アンサンブル・レゾナンツ


初来日のアンサンブル。お初で聴きます。
メンバー表を見るとパーカス2、チェンバロ1をいれて18人の編成。
第1音、強靭なストリング・アンサンブル。ちょっと規模は違うが今年聴いたオルフェウス室内管の弦のような筋肉質のサウンド。ノンビブでグイグイ弾いてきます。
CPEバッハの作品は大きいもので、お父さんのことは横に置いて、よくできた作品と思います。中間のラルゴ楽章が殊の外長くて緊張感あるもの。独奏の瀬尾さんの暖かみのある音色と自然な技、堪能しました。

2曲目の細川さんの作品。独奏はベルワルツ。このかたを聴くのは2度目。2013年にハンニガン、準メルクル、東フィルの演奏会で2曲吹いてます。その時の彼の名前表記は、ジェロエン・ベルヴェルツ。今回の表記とどちらがより近いのかわかりませんけれども、イエルーン・ベルワルツのほうが座りがいい感じ。

1506- バーバラ・ハンニガン ワールド、リゲティ、マカーブル、細川俊夫、松風アリア、霧の中で、フィリデイ、全ての愛の身振り、準・メルクル、東フィル

旅Ⅶは、わからないぐらいの弱音から始まりそれに終る。中間部は盛り上がりというほどのものは無くて、一つの細い曲線が空中を浮遊しながら動いている。
概ねミュートをつけて奏する。感情の高まり曲線でミュートを取り払うこともあるが、光り輝く効果を狙ったものではない。2013年に聴いた細川の2作品、松風アリア、霧の中で。
この後者のほうであったマウスピースをはずしての吹き。今回の旅Ⅶでも同じ奏法ありました。日本の縦笛の音程をグイッと下げたような響き、スモーキーさが増します。
作曲家ご本人の弁をかいつまむと、独奏者は人、バックの小オーケストラは自然や宇宙の象徴。人から自然や宇宙への色々な作用、そして一体化へ。そんなイメージかと思います。
随所に、フレーズを伸ばさずに和太鼓で切っていくような日本風なイントネーションが出てくるのが印象的。
この曲では女性の奏者と思われる方が、指揮をされていました。拍子を取るというよりバーの出を示す感じ。
曲の編成は変えられそうですが、この小ホールサイズより大きいところでの演奏は厳しいものだろうし本人もそんなことは望んでいないと思う。ユニークで細川さんが刻印された作品ですね。ベルワルツに捧げられた作品で、演奏後舞台にあがった細川さんも満足そう。

バッハでサンドイッチされた細川作品。サンドイッチ片側メインはJSバッハ。
ゴルドベルクの編曲もの。シトコヴェツキーが弦楽三重奏版に編曲、それを弦楽合奏版に昇華させたもの。弦楽器のみによる60分オーバーの変奏。緊張感あふれる演奏。
チェロの独奏がほぼ全部を覆う。メインになったり伴奏になったり、チェロ独奏の技量が演奏の良否に決定的なものですね。それから、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、一本ずつの弦楽三重奏的な表情がすごく多い。ときに、セカンド・ヴァイオリンやベースなども一本加わり弦楽四重奏風味も。
結果、オリジナルの弦楽三重奏版の色が濃い。弦ソロが目立ち、逆に言うと他の方は弾かない時間が長くそれがかなり目立つ。楽器を置いている時間が長い。ときに合奏となるが、伴奏的な色付けというよりも音量増量的な効果のためと思われ、ダイナミズムの点で最初のCPEバッハのようなきつめの強靭サウンドをえられることがあり、強弱による濃淡狙いが目立つ程度。まぁ、弾かない時間が長い人は忍耐が要るかもしれない。
全体的にディテールの鳴りがカヤカヤと細やかでデリカシーに富んでいる。バッハの波打つ膨らみをもった豊かな進行のイメージはあまり得られない。
プレイヤーはみんなテンション高く、アンサンブルとしての駆け引きがよくできているし、総体の音色も確立していると思われます。
楽しめたゴルドベルクでした。
おわり


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