河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2645- バッハ、組曲第4番、聖アン、マニフィカト、ヘンゲルブロック、バルタザール・ノイマン、N響、2018.12.7

2018-12-07 23:48:14 | コンサート

2018年12月7日(金) 7pm NHKホール

バッハ 組曲第4番ニ長調BWV1069  18

バッハ(シェーンベルク編) 前奏曲とフーガ変ホ長調BWV552聖アン  14

Int

バッハ マニフィカト ニ長調BWV243(クリスマス用挿入曲つき) 33
バッハ クリスマス・オラトリオBWV248より
    第59曲 コラール「われらはここ馬槽のかたえ 汝がみ側に立つ」 3
合唱、バルタザール・ノイマン合唱団、ソリスト含む

(encore)
15世紀フランス(ヒッレルード編) 久しく待ちにし主よとく来たりて 2
無伴奏合唱、バルタザール・ノイマン合唱団


トーマス・ヘンゲルブロック 指揮 NHK交響楽団


ヘンゲルブロック、お初で拝見しました。Step to the podium、あまりの長身痩躯に吃驚。コンマスマロより頭一個分ほどの高身長。知らなかったこととはいえ、この衝撃度は、エリザベート・コンネルが、デュトワN響のもとエレクトラ入場した時と同じようなインパクト。背丈の話では無いが。

ということで、今日はコンパクトサイズの編成で、極悪ホールという事もあって前方席で拝聴。
オール・バッハ・プログラムの一曲目、管弦楽組曲第4番からスタート。指揮台無し、譜面台無し、指揮棒無し。構えてサッと始まる。
小ぶり編成のバッハで粛々と進む。ティンパニと3本のトランペットは下手サイドに一列配置。トランペットの高音頑張りが耳につく。
長身の指揮は迫力がありますね。その指示にプレイヤー達も、もう、従うしかない、っていう感じ。そんなに大きな指揮ではないがたっぱがたっぱなだけに。
縦ラインにはあまり頓着せず線を作っていく。流線形というわけでも無いと思わせるのはこのホールのちゃちな音響残響のせいかもしれない。至近な席で聴いてもやっぱり少人数パフォームにはある種、限界をあらためて感じるところでもあった。流線形というよりも一つずつの線を感じさせる演奏、指揮振り。
それが、ブーレの二つ目のところファゴットが忙しく技を仕掛けるところ、彼は棒立ちで振らないんですね。ソロが吹き始め、本人なりの調子で安定を得たあたりでおもむろに振り始める。ファゴットもこれだとやりやすいだろうね。
曲の表情はあっさり目とスッキリ目が相半ばしているもので、指揮者の十八番もの、居心地の良さがありましたね。妙なところに肩入れする指揮では、全く無い。

次の聖アン。シェーンベルク編曲ものはわりと耳にするものだが、こうやって16型の巨大編成になると、前の曲からの激変に、もはや、聴く前からブルブルする。あまりの水膨れに仰天。とはいえ、普段聴いているシンフォニックなオケ編成ゆえ、ゆとりを持って聴けるところもありますね。
ここでの指揮は、指揮台あり、譜面あり。指揮台上ると2メートル超える大巨匠ですな。
前の曲と同じくスッキリ目の解釈で進む。編成がデカすぎて少々埃っぽいところもあるけれど、そういったあたりへの関心はセカンド・プライオリティなのだろうと思う。
シェーンベルク聖アンの生演奏の手応え実感。何ものにも代えがたい。

休憩を挟んでマニフィカト。
最初の小ぶり編成に戻り、トランペットは3本指定のところアシ付きで4本だが、アシにとどまらない吹きもあったかに見受けられた。
今日の陣取り席は舞台の明かりが来るので、リブレットを見ながらのジックリ聴き。この対訳にはどの声種が歌うのか、ピース毎に書いてあるので、対訳を見失うことが無い。こうゆう工夫をしない演奏団体もあるのでそこは見習ってほしいもの。
マニフィカトにクリスマス挿入曲4個付き。さらに慣例に倣ってクリスマス・オラトリオ1曲が締めに歌われる。マニフィカトが終わり、拍手お辞儀退場、再登場でリスタートするので連続演奏というわけではない。

マニフィカト
Ⅰ  わが魂は主をあがめまつり
Ⅱ  わが心は喜びに耐えず
挿入曲A 高き天より
Ⅲ  それはおん召使の卑しさを
Ⅳ  見よ今からのち永遠に
Ⅴ  全能であられるおん方よ
挿入曲B 喜んで、声を上げよう
Ⅵ  そのあわれみは
Ⅶ  みずからおん腕の力を現し
挿入曲C いと高きところには栄光、神にあれ
Ⅷ  権力のあるものをその座からおろし
Ⅸ  飢えた人々を良いものに飽かせ
挿入曲D エッサイの若枝から
Ⅹ  そのしもべ、イスラエルを
Ⅺ  われらの先祖に言われたように
Ⅻ  父と子と精霊に栄光あれ
クリスマス・オラトリオ第59曲

Ⅵそのあわれみは、のソリストは、アルトが一人、テノールは二人で別パート歌唱。
Ⅸ飢えた人々を良いものに飽かせ、はリブレットにはアルトと記載されているが男声歌唱、見事でした。
なんだか、あっという間に終わったマニフィカト。ハイレヴェルのパフォーマンスに出くわすとこんな感じなのかもしれない。
合唱がメイン、通奏低音弾きのチェロ、芯があって強靭。バカでかいホールの一本弾き、前に座れば座るほど良い鳴りを享受できる。輝かしいトランペット、ウィンドの頑張りのもと、合唱が大人の音楽を奏でる。自分たちで聴き合いながら出し入れしている様子がよくわかる。普段からアンサンブルで歌いこなし尽しているからできるのだろうね。呼吸があっていて盛り上がりや引き際などがピタッとしている。生きた音楽になっている。本当に心地よい。
ヘンゲルブロックはここでもあまり縦は気にせず、それぞれのパートの線を浮き上がらせる。各ラインのバランスが良くて、ポリフォニックな分解ストリームが滲み出る。明快でわかりやすい音楽のつくり。
ソリストは合唱団メンバーで、アンサンブルの中から同じカラーの歌声がきれいに聴こえてきます。なんだか、和らぎますね。
伴奏オケに郷古廉さんがおりました。弾きのモーションは大きくないなか、素晴らしく切れ味がよくシャープで鋭い弾きですね。N響のメンバーもあれぐらいやればもっと前向きなバッハ演奏となっていたやに思われる。
ともあれ、指揮と合唱、存分に楽しめた一夜でした。

今日のN響定期はいつになく一階席からたくさんのブラボーが飛んでいました。このバッハ演奏、編成等を考えると至近席で聴くのは正解でしたね。なんでこのホールでやったんだろう。
おわり













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