河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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ホルライザーのパルジファル ウィーン2 1989-16

2007-02-20 20:25:00 | 音楽

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1989年ウィーン国立歌劇場来日公演4演目のうち、パルジファルを2回観た。

パルジファルは1027291114、の4回行われた。

最初と最後を観た。

最初はこんな感じ。

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19891027()5:00PM

NHKホール

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ワーグナー作曲

舞台神聖祭典劇パルジファル

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アンフォルタス/フランツ・グルントヘーバー

ティトゥレル/ゴラン・シミック

グルネマンツ/ハンス・チャマー

パルジファル/ルネ・コロ

クリングゾル/ゴットフリート・ホルニック

クンドリ/エヴァ・ランドヴァ

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アウグスト・エヴァーディンク演出

ハインリッヒ・ホルライザー指揮

ウィーン国立歌劇場

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華金の夕方5時スタートである。

サラリーマンのようなワンパターンの仕事をしている連中は、早退、もしくは、有給休暇、でことにあたらなければならない。

意地の悪い上司に仕えている平社員の場合は、有給休暇、が無難なところである。

休んで事前に耳を磨いて、イメージを膨らませ、コンディションを整えておくこと。

金曜日であるため、友との論評は深夜までゆっくりできる。

とはいってもこのパルジファル、2回の休憩などいれて6時間ぐらいかかってしまう。

5時から始まって11時終演。

遠距離通勤の人は友との論評が困難な時間帯である。

最後の音が先か身支度が先か、必ず見かける光景。

全国に散らばるワグネリアンは、仕事を休んでホテルを予約してきているのでひけた後も論評の時間は十分にあるというものだ。

終演後の感想述べ合いは非常に大事なコミュニケーションであるため、無理をしてでも時間はとっておくべきだ。

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指揮のハインリッヒ・ホルライザーは、NHKホールのごく浅くて、わりと明るすぎるオケピットのポーディアムに、牛乳瓶の底のようなメガネをして、ことのほか軽いステップで駆け込んできた。彼にとっては日常催事の始まりといったところか。

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ホール全体がなんとなく明るい。エヴァーディンクのプロダクションは当時メトでやっていたものと同じだと思われるが、メトのように光を落して海底深く底の底から湧き出てくる感じの音でもないし、深さも水中10メートルといった感じで明るい。

記憶が定かではないが、NHKホールの緑色の非常口灯が通路出口のところにこうこうと燈っていたような気がする。

法律改正があったのかどうか知らないが、最近は完全に明かりをおとしていると思われる。

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パルジファルは完全に観念の音楽である。舞台はイメージである。

舞台は補助的要素、視覚は音楽・観念のふくらみをサポートする。

だから、何度かパルジファルを観てしまえば音だけで自分なりのイメージを持てる。

また、歌もまぼろしのように思えてきて、なにもかもがオーケストラの織りなす響きの中に吸い込まれていくような気がする。

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ホルライザーが振るパルジファルはかなり高速で、響きがそんなに厚くもなく、サラリ、と流れていく。身構えていたこちらを肩透かし風によどむことなく次から次へと料理していく。当時はまりにはまっていたレヴァインの速度とは雲泥の差。第一幕はもしすると30分ぐらい短かったのではないか。1時間45分と2時間15分の違いは限りなく異種に近い。

そんなかんじで、今日はこんな感じのパルジファルなんだ、とだんだん覚悟を決めながら聴いていたような気がする。

おわり

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