今、来日中のダニエル・バレンボイムとシュターツカペレ・ベルリンの追っかけの合間に、というか、平日のオペラ公演はスタートが早いので気持ちを整えなければいけないので、会社勤めの人は出来ればお休みとしたいところだ。
それで、お休みを取る場合、前日はどうしても心に余裕が出来すぎてしまい、ちょっと銀座あたりによってゆっくりしたくなったりするものだ。
ということで、まぁ、休みの前日は少し残業でもして、ややおそめに繰り出し、といっても銀座ですから8時頃からがちょうどいいですね。同伴族もいなくなる時間帯だし、邪念なくお酒が飲める。
それで、芸術の秋、食欲の秋、ですから、寿司ではない日本食がいいですね。
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一軒目は和久多です。
安からず高からずでいい感じです。
安物買いの銭失いということもありますし、ある程度の値の方が気持ちが落ち着くということもあります。
アラカルトでいきたいところですが、仕事で疲れている場合は、それに二軒目三軒目といきたい場合は、頭をからっぽにして、ここのお店はコース主体でもあることですし、そのコースにしました。真ん中のコースですね。
秋の食材は日本酒メインではなく、食材そのものをピュアに楽しみたいところですが、日本酒のラインナップが河童語では読めないようなものが多く、それもめんどうなので、メニューの一番上のお酒から、一番下のお酒まで一合ずつ順番に飲むという、なんだか昔そんな飲み方をしたことがあったなぁ、などと思いだしつつ、結局食材どころではなくなってしまいました。
このお店は金春通りですが、少し千鳥足モードで行った西五番街の二軒目はとりあえず割愛して、三軒目は電通通りを越えて数寄屋通りのBar Metroというお店で、本日の反省会を朝3時ぐらいまでおこなったわけです。
この数寄屋通りは、歯の抜けたくしのような量しかでてこない有名店のそば田中家などもあったりしてふところの深い通りでもあります。
それで、バーのほうですが、多品種大容量でせまるお店ではないのですが、そんな店は銀座では必要ないといっているようでもありますが、なんというか、作るウィスキー、カクテルが、パシッ、ときまっているんですね。
ゆるふんなお酒にならず、一つ筋が通ったようなお酒がでてくるんですね。味がきまっている。
銀座のバーはこうゆうお店がわりとあります。
味がきまっている、というのは変な表現ですが、一本信念がこめられているというか、飲む方もベロベロながら、お酒で目が覚める、みたいなキリリとしたものを感じるわけです。いいですね。
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それやこれやで朝3時ですから、もうその日になってしまっているわけですが、夕方5時からトリスタンとイゾルデの公演に間に合うか、間に合うかというのは時間ではなく、体調が戻るのが間に合うかということなんですが、今日はプレミエ公演でもありますし、2軒目のブランデーが体内に残ったまま気持ちだけ全身全霊をこめてNHKホールに行きました。
でも、バレンボイムの指揮するシュターツカペレ・ベルリンの第一音を聴くと即座にトリスタンの世界にはいっていくことができる。眠くもならない。これまたキリリとした世界がここにもあり、あっという間の5時間半でした。
おわり
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