河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2767- シチェドリン、カルメン、ベルリオーズ、イタリアのハロルド、井上典子、ヴォルフラム・クリスト、新日フィル、2019.11.30

2019-11-30 22:36:45 | コンサート
2019年11月30日(土) 2pm サントリー

シチェドリン カルメン組曲  3-3-3-5-2-5-3-4-11   39

Int

ベルリオーズ イタリアのハロルド  15-8-7+11
 ヴィオラ、井上典子

ヴォルフラム・クリスト 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団


ジェイド・シリーズ、ジョゼップ・ポンスがキャンセル、代振りはベルリン・フィルのヴィオラで良く知っていたヴォルフラム・クリスト。棒を振っていることは知らなかった。お初で見る棒です。また、演目の変更はないものの順番がひっくり返ってシチェドリンを先に演奏。

シチェドリンのカルメンを生で聴くのは、大昔、外山雄三&N響の定期で2日連日聴いて以来のこと(42年ぶり)。カラオケみたいな風味もあって面白い曲だなあとその時は思ったものだ。今回こうやって改めて聴くと風変わりな編成の音に俄然興味が湧いた。
ブラスとウィンズが無い。要は管楽器が無くて弦とパーカッション。ユニークな編成で音が抜けたという感じは無くて新たな空間が出来上がる。奇抜で面白いもの。
弦楽器とパーカスが造る音響空間、面白い。パーカスは4つのグループからできていて膨らんでいるが管の補完をしているのではなくて楽器固有の独特な音になっていてその主張は表現の幅をグッと広げている。シチェドリンのカルメンと言いつつ、他作品の引用もあって、まあ、フシとしては有名どころパレード状態ですからね。これを弦が馴染み深くタップリと歌い込む。弦がフルで鳴り、派手なパーカスがやむとき、これがNJPの弦音だったかと思い至る。ややキーンで、揺れながらも、稜線キワキワではない。光る雲。
クリスト&NJPによるシチェドリンのカルメンは拡散系ではなくステージの中央に向かって集中していくサウンドで、音楽の精髄が凝縮された素晴らしいエクスプレッションでした。

イタリアのハロルド。イタハロ。なにしろ、BPOの元首席ヴィオラのクリストの棒。これも興味津々。ソロヴィオラはこの前までNJPの首席だった井上さん。面白い組み合わせですな。
奇抜な作風、鳴りが突拍子もない面白さ。奇作と思う。ヴィオラ井上さんのソロは内面の安定を感じさせる音作り。気持ちの安定ですね。たっぷりとした鳴りがマイルドにホールに響き音が飛んでくる。元同じオケ連の響きには包容感がある。包み込む感じね。引き締まったブラスはこの奇作にふさわしい。大胆に響かせていて決して邪魔にはならない。ベルリオーズの作品の面白さが浮かび上がる。クリスト棒の成すところが大きいのかもしれない。オケが棒を信頼している響きですね。奇抜さとシンフォニックなスタイルがうまくブレンドしバランスしたよき演奏でした。

NJPのメンバー表に1Vn、2Vn、Vcの3名、イタハロ終楽章でバンダ、と書いてあってどこで弾くのかなと思ったら、ステージレベルのしもての大きいほうの扉を開けてちょっとだけ弾きましたね。R側寄りの席からだと丸見え。

指揮者がポンスからクリストに代わって、プログラム順もいれかえてイタハロを後プロにしたのはクリストのいわば、矜持だろうね。
楽しめたひとときでした。ありがとうございました。
おわり












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