河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2687- マーラー2番、復活、カトリン・ゲーリング、森谷真理、上岡敏之、新日フィル、栗友会、2019.3.30

2019-03-30 22:27:25 | コンサート

2019年3月30日(土) 2pm サントリー

マーラー 交響曲第2番ハ短調 復活  23-9-11-6-35

ソプラノ、森谷真理
アルト、カトリン・ゲーリング
合唱、栗友会合唱団

上岡敏之 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団


全編で90分に渡るリザレクション、冒頭から上岡独特の長めのアタックがこのオーケストラによく合うもので柔らかな物腰の復活は騒ぎ立てるものでは全く無くて、作品の一つの姿を指揮者オケ共々、照らす強いて言えばクール、静かな興奮が満ち溢れてくる説得力のあるものでした。

方針がよくわかる長い第1楽章に続き、思いの外深刻さを見せることの無い力まずの第2楽章、そして突き刺す一撃から始まる第3楽章は折り返し点的沸騰さを垣間見せてくれた。

原光から大団円の終楽章、併せて40分を越えるもの。激しくのたうち回る演奏の真逆をいく、歌心に満ちた静かなクライマックスは精神のおちつきとシンクロしているようでもあり、大きく弧を描きスウィングしていく様は方舟に帆が有ったらこうなっていただろうなと、精神の救いまで思わせてくれる共感度の高いものだった。

さらに、曲の表情に絶妙の味付けと深みをつけてくれた二人のソリスト。惚れ惚れする歌唱。
カトリン・ゲーリングは一昨年、同指揮オケ伴奏で、圧巻のヴェーゼンドンクを披露、当地でも上岡の振るパルジファルでも共演したことがあるということで、阿吽の呼吸だったのだろうねもともと。彼女の、込めた力が抑え気味にコントロールされ下ごしらえ十分な歌い口で発せられると抜群の安定感と深みが自然に鼓膜に心地よい振動となって伝わってくる。
隣の森谷さんの集中力が凄い。今日はみんな凄いピアニシモなワールドで、わけても森谷さんのppからfまでの歌いっぷり、滑らかで気品があって仕草や物腰が絵になる。
この二人のソリストが上岡復活に寄与、明々白々。
合唱も意を汲んだもので見事な斉唱、一つの音程が幅広く感じられて、精度はもっと上げられると思う。

上岡の作り出す音楽は大人の音楽で、ひとつ例えると、音楽監督や常任指揮者、それと客演で現れる指揮者達、彼らが合わさってオーケストラに表現の厚みや幅が完結するようなところがある中、上岡はそういったものを一人で内包していて多様な表現が出来る、とびっきりの指揮者だと思う。

今日のフライングは興味深いもので、値の張る2階センター前方から始まる。ばつが悪いと思ったのか一旦止み、改めて仕切り直しの拍手が全体に湧くというものだった。この位置の席からフライングが始まるというのはあまり記憶にない。彼らもたまにはフライングしてみたいのだろう。
おわり









 

 


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。