河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

713- ジンジャーマン

2008-11-14 01:25:18 | 音楽

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写真は1980年代のエイヴリーフィッシャーホールです。リンカーンセンターの一角を占めているわけですが、この当時近くにレストラン・バーとでもいうのでしょうか、ジンジャーマンというお店があり、たまに演奏会のあと寄ったりしてました。

このジンジャーマンはリンカーンセンターを出てまっすぐ、すぐ近くにあったと記憶してます。今はそこにはないと思います。

ジンジャーマンに寄るのは、メトのオペラのあとではなく、だいたいがニューヨーク・フィルハーモニックのサブスクリプション・コンサートのあとでした。メトだとはじまりが8時で跳ねるのが深夜になるので、河童ハウスの隣のアイリッシュパブに寄ることが多かったですね。

ニューヨーク・フィルハーモニックは同じく8時スタートですが、10時には終わるので、たまにブラッと寄るわけです。

だいぶ前のことですから、プラザ合意の前後あたりと思っていただければいいのですが、といっても円で払うわけではないですが、とりあえず目をつむり思い出してみます。

ドアを開けるとすぐホールになっていて、ドアの間口に比べて中が広い。こうゆう店が多いですけどね。

それでホールを進むとバーカウンターがあります。このバーカウンター円形だっと思います。なかに作り手が何人かいて、丸いカウンターの外に大勢の客が群がっていました。

そこでスコッチのオンザロックスを一杯たのみます。プラザ合意の前です。だいたい3ドル50セント前後だったと思います。8.25パーセントのタックスとチップを含め、面倒なので5ドルをカードで払うわけです。今なら日本円で500円もしませんね。プラザ合意の前は1ドルがだいたい220230円あたりで推移していた記憶があります。それで計算すると5ドルといえども1100円以上。といっても1100円です。日本で飲む酒の高さと比べたら、それこそ比べ物にならないぐらい安いですね。

それでもその5ドル、丸カウンターの中のスタッフにカードで払うんです。アメリカ人らしいですね。

お酒は丸カウンターで立ち飲みです。文句は言いません。立ったまま、黙っていてもでてくる特盛りスコッチをすすりながらそのカウンター越しに奥を眺めるとたしかテーブルがあってレストランになっていた記憶です。そちらには座ったことはありません。

カウンターの方は演奏会が跳ねたあとの聴衆連中がたくさん寄っており、音楽の熱気がそのままこのお店に移ってきたような感じで楽しかったですね。雑踏さえも。。

コンサート・シーズンというのは秋から始まり、真冬あたりに佳境を迎えるわけで、その寒さのなか、帰路につく前に、かどうかわかりませんが、とにかくジンジャーマンでいっぱい。この夜の先のことはまずグイッといっぱいやってからおもむろに考える。

夜のマンハッタンは長い。朝まで飲めますが、朝は4時か5時以降はお酒を出せない条例になっていたと思います。どこでも。

だから、時間近くになると、お酒を3杯ぐらいまとめて作ってもらうわけです。そうすれば条例越えの時刻になっても、これはその前に作ってもらったものをまだ飲んでいるのだ、で済むわけです。なにもそこまでして飲む必要もないわけですが、当時そのようなハイな空気が漂っていたわけですね。個人的には。。

演奏会を聴いた後、毎日お酒を飲んでいたわけですが、妙なことに演奏会のことはだいたい覚えてます。その時、素晴らしい演奏だなぁと思うこともあるし、何日かしてからじわじわと思いだすような演奏会もありました。いずれにしても楽しい日々でした。

冒頭に書きましたが、メトのオペラのあとは河童ハウスのとなりにあるアイリッシュパブの常連。

メトでは3つのサブスクリプションをもってましたが、一番力をいれて観るのはやっぱり土曜日の夜公演。マチネーはたまにいくぐらいで、やっぱりこの曜日の夜公演は聴くほうも力を入れて気張ってました。

ワーグナー物以外は大抵8時スタートですから、例えばモーツァルトのフィガロの結婚も、休憩がしっかり3回あり、跳ねるのが真夜中です。流石にそのあとはゆっくり飯でも食いたいという感じで、まず、オペラハウスからでて前の通りを河童ハウスまで歩いて帰るわけですが、といっても5分ですが、その通りを歩いていると、土曜の深夜なので、すでにニューヨーク・タイムズの日曜版が道端で売られているわけです。知っている人も多いと思いますが、空恐ろしい厚さです。分厚い紙の塊がたしか1ドル25セント。日曜版のミュージックレビューはそれだけで別構成になっている感じで読みごたえ十分。

それで、今思うと、新聞を売っていたのはスタンドではなく、ストリートヴェンダーだったのではないかと思います。河童ハウスとリンカーンセンターの間にスタンドはなかったですから。

その重い紙の塊をもって早くうちに帰ればいいものを、わざわざ一軒手前のアイリッシュパブにはいるわけです。アイリッシュパブというのはちょっと紛らわしいですがお店の名前です。

それで真夜中です。だいたい指定席が奥のテーブルにあるわけですが、まず、ビール。

そしてメニューをたのんで、どっちにしろあまり見なのですが、とりあえず見た振りをしてオーダーするわけです。ロブスター&ステーキ・ディナー・セット。イモ付き。

真夜中です。体にいいですね。血圧がどんどんたかくなること請け合いですね。。

それと、グラスワインです。

体にいい悪いは別にして、至福の時間ではあります。

ニューヨーク・タイムズのミュージックレビューは幅広いジャンルにわたっており、内容もかなり濃い。読みごたえ十分です。ロブスターとステーキで油まみれになった脳味噌で読みながらワインでその頭をたまにうがいする。

至福タイムが終わりそうになったら、ウィスキーを一杯(アイリッシュではなく)飲んで、さらにうがいをし、それで隣の河童ハウスにたどりつき、ドアマンに1ドルだったか5ドルだったかチップをはらいドアを開けてもらいようやく就寝。

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このアイリッシュパブですが、ディナーが30ドルしなかったですね。たしか22ドルとかで、ビール1杯、グラスワイン2,3杯、それにウィスキー1,2杯で、合計でたぶん40ドルぐらい。それに8.25パーセントのタックスと、あと同じ額ぐらいのチップで大合計が50ドル以下。昔ですから、クレジットカードの支払いもカーボンに自分で金額とサインを書いて例のガシャっと手で引き押しする機械でした。なんて呼ぶのかしりません。

お店の子が、カーボンに食事代40ドルと、タックス3ドル30セントを書いて持ってきます。そうするとこちらはボールペンを借りて、チップの記入をするわけです。6ドル70セントと書けば、合計が50ドルとなってちょうどきりが良くなります。それでサインをしてボールペンとカーボンを返します。

そうするとそのお店の女の子は、キャッシャーのところにそのカーボンをもっていき、そこでお店の財布をあずかる人へ渡し、カーボンの控えを持ってきてくれるわけですが、そのときにその財布の人から6ドル70セントをお店の子はもらうわけです。

40ドルの客としてはいいチップだったと思います。

おわり

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