2018年1月12日(金) 7:00pm サントリー
プロコフィエフ 交響曲第1番ニ長調op.25 4-5-2-3
プロコフィエフ ピアノ協奏曲第1番変ニ長調op.10 7+4+4
ピアノ、アレクサンダー・ガヴリリュク
(encore)
ムソルグスキー 展覧会の絵よりキエフの大門 4
モーツァルト ピアノ・ソナタ第10番K.330 第2楽章 6
Int
ムソルグスキー/ラヴェル編曲 展覧会の絵 36
飯森範親 指揮 東京交響楽団
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ガヴリリュクの生ではプロコフィエフPC2、PC3は聴いたことがあって今日はPC1、ラッキーなことに毎回違うコンチェルト。展覧会の絵は2016年にリサイタルで聴いていて、今日はアンコールでキエフの大門を演奏しましたが、後半プロの前だしというよりも、あの時のプレイを思いだした。
PC1はあっという間に終わってしまったがなにやら巨大な作品を聴いた心地となる。
エネルギッシュな演奏ではあるのだがその前に音色の美しさ、素晴らしくきれいな音ですね。そして研ぎ澄まされた技巧。両腕がまるで4本あるかのような動き、鍵盤を押し付けるような圧力は皆無に見える。次の音の鍵盤への動きが速くてどんなに細かいパッセージでも垂直な押しがフェザータッチのようにサラリと弾かれる。凄いもんだ。正確だから音も美しくなるんだろうなあ。
透明でぶ厚い、肌触りよく流れていく急流、激流なれど安定感は大海のよう。プロコフィエフを満喫。ガヴリリュクを堪能。
アンコールでまさかの展覧会。後半プロがわかっていながらの強烈な意志表示か。どうしても弾きたかったのかもしれない。キエフのピースなれど全体イメージが完全に頭の中にあって最高の雰囲気がのっけから醸し出される。スバラシイ。
もう1曲、がらりと変わりモツソナのアンダンテ・カンタービレ。よくスイッチをこんなにも簡単に変えることが出来るものだなあとまずはびっくり。精神の落ち着きが目に見えるよう。端正でブレのないプレイ。これでホールがすっかり静かになるんだから凄いもんだ。長い楽章、終わるのが惜しいほどに。
今度はモツソナ全部聴きたくなりました。ガヴリリュクさん、今回もありがとうございました。
ということで、PC1に先立ち、1曲目の古典シンフォニー。そもそもこれが良かった。東響独特の明るくイエローなサウンド。それに厚みのある響き。やや硬質にしてしなやかで柔軟性に富むプロコフィエフ。本格的な演奏で強烈にしてわかりやすい。オーケストラの醍醐味を満喫。このモードでPC1に移っていき伴奏越えの丁々発止のスリルを味わえたのでした。ノリチカ棒がいい。
後半の展覧会の絵。オーケストラ版、
前半のプログラムとアンコールで、もう、十分満足。だったけれども、休憩時間に外で頭を冷やして、聴いてよかった。
イエローな響きがマスできれいにのびていく。明るいラヴェルサウンド、それに厚みとコクのあるムソルグスキーサウンドが見事にブレンド。上から下まで同じ幅での動きは俊敏で正確、爽快な展覧会。ノリチカ棒に余裕を持って応える東響。なかなかの迫力、いけますね。立ち位置とは別の対等な世界を感じる両者、これも、いいものですね。
おわり