河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1349- ジャン・クリストフ・スピノジ 新日フィル 新世界2012.3.2

2012-03-06 20:55:45 | インポート

2011-2012シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから。
2011-2012シーズン

2012年3月2日(金)7:15pm
すみだトリフォニー
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モーツァルト 魔笛、序曲
モーツァルト 交響曲第35番ハフナー
ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
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ジャン・クリストフ・スピノジ 指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団

前半のモーツァルトは譜面台なし、後半ドヴォルザークはしっかりと第1楽章提示部繰り返し用の折れ目を付け直したりしながら、スコア全般にポストイットだらけでわりと見ながら振りまくる。
前半の古典派オペラ系を得意にする指揮者のように見受けられたが最も印象にあるのは後半のドヴォルザーク。リタルダンドとか脇目も振らず、作曲家特有のシンコペ的なアクセントを強烈に押しながらひたすら前進あるのみ。超名曲であるがゆえに振っているようにも見える棒と解釈は、めったに振らないが振れば爆発するバーンスタインの新世界を思い起こさせるに十分なものがある。若きバーンスタイン以上に体が飛び跳ねそうだが、軽そうな割にはいやみのない棒。観て聴いている方もうきうきしてくる。ぶ厚いオーケストラサウンドをこのようにドライブする指揮者の才覚。オーケストラのだいご味は、とんでもない巨大なサウンドが右に左に自由自在に動くことであり、それは当然指揮者の力量しだいだ。この演奏の対極の解釈は誰だ、このような妙な質問があるとすれば、この日の演奏以外は全て対極だ、そんな感じのワンダフルな演奏でした。
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前半のモーツァルトは最初の魔笛序曲の振りをみればわかるとおりいつまでもこの曲を振っていたい感じ、つまりこのオペラに通じていて序曲は、さてオペラが始まる、結末は?みなさん最後まで聴いて。そんな感じのオペラ大好き指揮者のように見受けられる。いやいやだんだん尻上がりの棒ではなく、最初からのりのり。雰囲気よくわかります、今、充実の棒なんだろうと思う。また、上っ面で流すようなことがなく彫りの深い表現で殊の外かみしめて聴く様なモードにさせられる。このスタイルならこのマジックフルート、最後まで聴きたくなってしまう、長いが。
序曲が終わり拍手に引っ張られて2回目に出てきて拍手を制止、トロンボーンらがあわてて退場するまもなくハフナーが始まりました。序曲との調性の関係なのか、ハフナーの冒頭の音には違和感を持ちました。序曲とは離れた調で、こんな場合はやっぱり一呼吸おいてから演奏を始めてほしいと思います。
ハフナーも流暢に流れるような棒でありながら彫りの深い演奏表現でどんどん突き刺してくる。流暢で流れる棒のように一見するとそうみえるが実は全く違う棒だと思う。新世界でもそうですがこのモーツァルトも非常にダイナミックなアクセント、ときにはどぎつすぎるのではないのかと思えるぐらい強烈な垂直への押し。それでいて重苦しくなく楽しげな音楽の花火になっているのはもはやこの指揮者の特質そのものだと言わざるを得ない。棒も実は深い。
フランスの若いサラリーマンが会社の帰りに背広姿のままで振っているような(なんてさまになっているんだろう!)、重くならないのは、粋、だからなんですよ、きっと。
おわり

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