河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

行方知れずのCD ゲルハルト作曲ペスト by カミュ

2006-09-09 23:29:55 | 音楽

6()に電車に置き忘れたCD8枚は戻ってこない。地下鉄各路線取集先に毎日電話をしているがそんな白袋は知らない、と言われるが先、電話口の最初の一言のトーンで、無かったことがわかる。諦めた。そのCDはクラシック・ファンの裾野を広げる為に差し上げましょう。そして買いなおす。でもゲルハルトのCDは同じのが店頭においてあるかな。無ければ河童ライブラリーから昔の音源を探し出してみるか。差し上げたCDを手にした人も何がなんだかわからないと思うので、せめてこの説明でも見ておいておくれ。

まず、この作曲家の発音表記がよくわからない。スペルはroberto gerhard。ヨーロッパ多国籍の親のもとスペイン生まれ。

ロベルト・ゲルハルト。

ロバート・ジェラード。(英語ではhなし。)

ロバート・ジェラール。

Wikiにはかなり詳細に彼のことが書かれているので、興味のある人はそちらをみて欲しい。ちなみにwikiにはロベルト・ジェラールとある。

曲のペストというのは、Plagueプレイグ=la peste 例の疫病のことである。

カミュ原作のペストを下敷きに1963年に作曲したカンタータ。但しリブレットは作曲者自身によるもの。彼自身シェーンベルクの信望者。この曲はシェーンベルクの「ワルシャワの生き残り」とか、ノーノの曲などがそのイメージの前提にあるようだ。語り手、合唱、オーケストラで演奏される。とここまではWikiには書いてない。

河童はカミュのペストを読んだことが無いので曲をその意識で聴くことが出来ない。

さて、最後の手段として取り出した河童ライブラリーの音源はかなり古いがあることはあった。こちらはロベルトのスペルがさらに異なる。(理由はWikiを。)

スペルはRobert Gerhard。そして当時のNHKの表記がゲルハルト。カタカナ表記はだんだんどうでもよくなってきた。

ゲルハルト作曲ペスト

語り手:カール・ハインツ・ベーム

エリアフ・インバル指揮

フランクフルト放送交響楽団

北ドイツ放送合唱団

19751025,26

ヘッセン放送大ホール

(NHK-FM1976.7.5)

良くぞ残っていてくれた河童ライブラリー。オープンリール・テープ→カセット・テープ→DATとここまでコピーを重ねて残っていてくれた模様だ。このあとCDRに焼き付けて、そのあとは。。。。。河童は万年。これからもメディア変遷は続くであろう。

そっとDATデッキを動かして聴いてみる。30年以上前の音源であるが比較的良好なサウンドである。当時、ヘッセン放送協会の音源はNHKが多量に流していた。そのサウンドが非常にクリアということもあり、あたり、の放送であった。

最近は蜘蛛のようなアルテ・オーパーでのこれまたグーなサウンドで魅了されるものがあるが、このヘッセン放送のホールも響きにホール感の余裕が感じられ良好である。

音は良い。中身は?よくわからない。これが大体当時の12音階系のいわゆる現代音楽に対する一般的な感想。あらためて聴いてみると、語り手の声の音域が上中下の中あたりを占めていて、その上をいくヴァイオリンの非常に密度の濃いサウンド、そして下を行く中低弦の船酔いサウンドがこれまた良い響きをかもし出し、ときおりパーカッションが激しく刺激を与える。全体的に彩が豊かで約50分飽きさせないで、何か新鮮でクリーミーなローフィッシュでも食べたような不思議な食感。曲後の拍手にはかなりの戸惑いが感じられ、ドイツ北部なみのスローな反応、というよりも初めて聴く違和感かもしれない。日本のフライング聴衆もこの程度の遠慮があれば演奏会もばつの悪いものにはならないであろう。何故あすこまで競って拍手をフライングするのか、フライング人間の頭蓋骨をカチ割って脳みそに訊いてみたいものだ。

いずれにしろ、カミュの本を読んでからもう一度聴けばまた別の感興があるのかもしれない。機会があれば読んでみたいが厚い本らしい。

ところで、1990年前後にフランクフルト放送交響楽団を引き連れて日本に現れたポニーテールのインバルはミラクルであった。彼は単独でも来日していたが、やはり手兵のフランクフルトと上陸した際のマーラー演奏の輝きは素晴らしかった。やがて自分の時代がくると作曲家が言ったように、インバルもやがて自分の時代が来た、と感じたことであろう。少なくとも河童にはあのポニーの音楽の輝きに耳を奪われた。自分の時代が来る20年前、地道にというか現代音楽の掘り起こしというか、まだヘッセン放送協会には良質のサウンドの音源、そして下積み時代のインバルの軌跡が残っているはずだ。

こんな演奏もあったなぁ。

マーラー/大地の歌

エリアフ・インバル指揮

フランクフルト放送交響楽団

テノール、ロバート・テアー

ソプラノ、クリスタ・ルードヴィッヒ

1976226,27

ヘッセン放送大ホール

(NHK-FM 1976.9.24)

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