2016年10月9日(日) 6:00pm ミューザ川崎
モーツァルト ドン・ジョヴァンニ、序曲 8′
ドビュッシー 海 8′7′8′
Int
シューベルト 交響曲第8番ハ長調 13′14′11′12′
(encore)
ドヴォルザーク スラヴォニック・ダンスOp.46 8番 4′
ズービン・メータ 指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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一昨日に続き本日もメータを観に来ました。
今日の演目の編成。
・モーツァルト 10型対向
・ドビュッシー 16型対向
・シューベルト 14型対向
このシューベルトはユニークな配置。弦5部の前に指揮台を取り囲むようにウィンド8名が小さく半円に配列。メータの左側から右に、
fl2-fl1-ob1-ob2-fg2-fg1-cl1-cl2
ファゴットとクラリネットのプリンシパルは通常配置のときと右左が逆隣り。
ドン・ジョヴァンニは小編成ながら高濃度。かなりぶ厚い音が飛んでくる。特に中声部は音がぎっしりと充満している。それにベース、2本だが弾きっぷりが凄くて、チェロやヴァイオリン並みのアクションですな。大したもんです。
これだとオペラまるごと観たいという感覚にすぐなりますね。家に帰ったらドンジョだ。
通常と異なる編曲できっちりエンディングさせているのだが、ちょっと見え透いた予定調和的な編曲でした。違和感ありと思う人もいるかもしれません。誰の編曲なのかわかりませんです。
メータの鳴らし方はヘビーですな。
2曲目の海は一昨日聴いた。そのときより若干スピードアップ。1曲目のドンジョもこの曲も譜面を見ながらの棒で少し窮屈そう。
まぁ、それにしてもこのオーケストラによる海原表現の厚みと繊細さかつ大胆な響き、何度聴いても魅力的。高密濃度、圧巻です。
後半のシューベルト。
ウィンド8名が弦の前にポーディアムを取り囲むように座る。かなり窮屈な配置。どのような思考結果によるものなのかはわかりません。流れるような歌謡性の強調なのかしら。第3楽章のトリオの歌はこの配置でものの見事にきまっていましたね。晴れやかな歌でした。あすこのためにこのような策か、まぁほかの箇所でも似たようなパッセージはあるので色々と効果的ではある。8名によるトリオ吹奏、しびれました。
このシューベルトは前半プロの海にも勝るむき出しの音。手加減しない大胆な響き。高圧縮濃度。モロに音が出てくる具合なんだが、それが美しさの塊となって飛んでくる。メータの棒によるところも大きいと思います。この場合、大胆さを許容したものと考えた方がいいのかもしれない。
振りが小さくなり足で踏ん張る独特のアクションはなくなりましたメータ、方向づけや許容といった世界観になってきてもおかしくはないと思います。山のように振ってきたわけですしね。
珍しいアクションとしては、この独特な配置のせいか、フィナーレ楽章コーダ前、第1ヴァイオリンの角度から聴衆のほうに向き、第2ヴァイオリンのほうへ、くるりと1回転。ウィンドへの指示がたぶん、あの回転の方が指示しやすかったのだと思います。一昨日のところでも書きましたけれども、もう、3桁ぐらいメータみてますが、あれ、初めて見ました。80にして回転。なかなかおもしろかった。
あと、第1楽章提示部はリピートしていたと思います。
このオーケストラは指揮者にストンプしない。普通のことかもしれないが、今は指揮者に足踏み、拍手を満面の笑みでするオーケストラがたくさんある。当事者同志でなにやってるんだろうね、と思っちまいます。
おわり