2018年6月28日(木) 7:00pm サントリー
マーラー 交響曲第2番ハ短調 復活 21-9-10+6+34
ソプラノ、ニコール・カベル
メゾ、アン・ハレンベリ
合唱、新国立劇場合唱団
コルネリウス・マイスター 指揮 読売日本交響楽団
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マイスターはあっちのセクションこっちのセクション、特定インストゥルメント等々、今様にいちいち個別指示を細かく出す指揮ではなくて、締まった振りで全体の流れを作っていく。リハで意思が浸透していてそれが音化されていればさぞかし素晴らしい演奏となることであろう。
オケのセクションやソロは個々の勢いでやっているところが散見。呼吸が時に不揃い。マイスターの彼の地のオケではそういったところはデフォベースでクリアしている、という前提の棒ですね。楽譜通りでは物足りず一緒に音楽をする心がまずあって、初めて彼のいいところが出てくるのだろう。読響はマイスターの見えない要求に応えなければならない。
演奏は増築を重ねた旅館のようで、一個前の出来事を基準に次に向かう進行で、そこだけ見ていれば何事も無くても全体を見渡すと不安定。バラバラな勢いは一つのパッセージのくくりが終わったところで次から揃う、そのうちずれていく。これの繰り返し。
終わるや否や阿鼻叫喚の大絶叫が最大限の違和感を持って発せられた。一人である。
ステージの指揮者もメンバーも茫然としていた。この種の嫌がらせは、ステージの上の演奏家たちから見ると聴衆という一つの個体のする行為のように見えたのかもしれない、心ならずも。
おわり