2019年11月9日(土) コンサートホール、オペラシティ
ヴォーン・ウィリアムズ 富める人とラザロ 5つのヴァリアント 11
プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番ハ長調Op.26 10-9-9
ピアノ、松田華音
(encore)
チャイコフスキー 18の小品Op.72-18 踊りの情景(トレパークへの誘い) 3
Int
伊福部昭 舞踏曲 サロメ 20-20
藤岡幸夫 指揮 東京シティフィルハーモニック管弦楽団
●
プロコフィエフの3番コンチェルト堪能しました。何度聴いても奇抜な響きの作品でユニーク。これから入ると前後の協奏曲もよく理解できるというものだ。興味が湧くというか。
松田さんの流れは素晴らしく素敵。それと、重力通りに指が鍵盤に落ちる、吸い込まれていく。これがとっても自然で粒立ちが一様、重力の計算通りなのかもしれない。この一様性が快感。的確な表現というのはこういうことを言うんだろうなあと、観て聴いて唸るばかりなり。
いきなりスピード感を持って動かないといけなくて、このノリの良さ。弾く前の律動感が冴えまくっている。ロシア風味のゴツゴツしたところもあって、さらにキラキラと光り輝くところもあって、静と動、刻々と変化していく表情。多彩な表現のピアノの凄技。
冷静なアトモスフィアを漂わせるところもあって、つまるところ、彼女の空気感が大きく広がっていく。場を占めていく、魅了しますね。
●
後半のサロメ。初めて聴く作品。
サロメの話は既に多く刷り込まれている訳だから、そのことはちょっと横に置いて全体印象を。
ソロのアルトフルート、それに絡むハープ、そしてイングリッシュホルン。この静寂の前までで一区切りの20分。このアルトフルートのあたりがセヴン・ヴェールのようです。
前半はなにかインド風味な響きが随所に聴かれる。セヴン・ヴェール以降はいわゆる西欧風なものと太鼓鳴らしメインの和風、これら3つの風がシャッフル、シェイクされながら大団円を迎える作品。ぶ厚いオーケストラサウンドが激しく燃え盛る、熱盛リフィニッシュ。なるほど、舞踏曲だなあ、と。
音展開は、ラッパのハイトーンによるファンファーレ、フィリップ・グラス風なシンコペの流れ、次第にマーラーが作りそうな葬送行進曲のモード、やがて平原(1回目)がやってくる、リズムの動き。ここまでで20分。
セヴン・ヴェールはアルトフルートとそれに絡むハープ、続けてイングリッシュホルン、平原(2回目)、リズムの動き、交錯する静と動、徐々に勾配を登りつめていく、初めにあったファンファーレが再帰。ここまで計40分。
全体的に腫れぼったい、ぶ厚いオーケストラサウンド。お化粧はそれほどいたれりつくせりでは無くて、ストレート。音圧だけでいうと表現の濃さが、音圧が強のほうに偏っているように聴こえる。馬力で強く気張る。大変です。
●
最初に演奏されたRVWの小品。弦楽とハープ。そのタイトル内容と出てくる音は一致しているのだろうが、そこらあたり理解を越える。民謡風なところは和風の趣きを感じるところがあり、鯉のぼり、赤とんぼ、雨降りお月さん、なんだか色々思い出した。
今日の3作品楽しめました。
ありがとうございました。
おわり
ヴォーン・ウィリアムズ 富める人とラザロ 5つのヴァリアント 11
プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番ハ長調Op.26 10-9-9
ピアノ、松田華音
(encore)
チャイコフスキー 18の小品Op.72-18 踊りの情景(トレパークへの誘い) 3
Int
伊福部昭 舞踏曲 サロメ 20-20
藤岡幸夫 指揮 東京シティフィルハーモニック管弦楽団
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プロコフィエフの3番コンチェルト堪能しました。何度聴いても奇抜な響きの作品でユニーク。これから入ると前後の協奏曲もよく理解できるというものだ。興味が湧くというか。
松田さんの流れは素晴らしく素敵。それと、重力通りに指が鍵盤に落ちる、吸い込まれていく。これがとっても自然で粒立ちが一様、重力の計算通りなのかもしれない。この一様性が快感。的確な表現というのはこういうことを言うんだろうなあと、観て聴いて唸るばかりなり。
いきなりスピード感を持って動かないといけなくて、このノリの良さ。弾く前の律動感が冴えまくっている。ロシア風味のゴツゴツしたところもあって、さらにキラキラと光り輝くところもあって、静と動、刻々と変化していく表情。多彩な表現のピアノの凄技。
冷静なアトモスフィアを漂わせるところもあって、つまるところ、彼女の空気感が大きく広がっていく。場を占めていく、魅了しますね。
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後半のサロメ。初めて聴く作品。
サロメの話は既に多く刷り込まれている訳だから、そのことはちょっと横に置いて全体印象を。
ソロのアルトフルート、それに絡むハープ、そしてイングリッシュホルン。この静寂の前までで一区切りの20分。このアルトフルートのあたりがセヴン・ヴェールのようです。
前半はなにかインド風味な響きが随所に聴かれる。セヴン・ヴェール以降はいわゆる西欧風なものと太鼓鳴らしメインの和風、これら3つの風がシャッフル、シェイクされながら大団円を迎える作品。ぶ厚いオーケストラサウンドが激しく燃え盛る、熱盛リフィニッシュ。なるほど、舞踏曲だなあ、と。
音展開は、ラッパのハイトーンによるファンファーレ、フィリップ・グラス風なシンコペの流れ、次第にマーラーが作りそうな葬送行進曲のモード、やがて平原(1回目)がやってくる、リズムの動き。ここまでで20分。
セヴン・ヴェールはアルトフルートとそれに絡むハープ、続けてイングリッシュホルン、平原(2回目)、リズムの動き、交錯する静と動、徐々に勾配を登りつめていく、初めにあったファンファーレが再帰。ここまで計40分。
全体的に腫れぼったい、ぶ厚いオーケストラサウンド。お化粧はそれほどいたれりつくせりでは無くて、ストレート。音圧だけでいうと表現の濃さが、音圧が強のほうに偏っているように聴こえる。馬力で強く気張る。大変です。
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最初に演奏されたRVWの小品。弦楽とハープ。そのタイトル内容と出てくる音は一致しているのだろうが、そこらあたり理解を越える。民謡風なところは和風の趣きを感じるところがあり、鯉のぼり、赤とんぼ、雨降りお月さん、なんだか色々思い出した。
今日の3作品楽しめました。
ありがとうございました。
おわり