河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2392- ヴァガボンズvol.1、メタモルフォーゼン、ロマンス、大地の歌、下野、2017.8.8

2017-08-08 23:36:30 | コンサート

2017年8月8日(火) 7:00-9:20pm さくらホール、渋谷区文化センター大和田

シュトラウス(弦楽七重奏版 ed. by E.V.) メタモルフォーゼン  24′
 2vn 2va 2vc 1cb

フォーレ アンダンテ(ロマンス)  5′
 vc har

int

マーラー(シェーンベルク編曲/ライナー・リーン補筆) 大地の歌 8-10-3-7-4-32′
 アルト、高橋ちはる
 テノール、中嶋克彦
 指揮、下野竜也

以上、
アンサンブル・ヴァガボンズ


グループ旗揚げ公演。まずはメタモルフォーゼンから。アンサンブル・ヴァガボンズが七重奏版を復元した楽譜で演奏。
今年2017年6月に読響を退職したコントラバスの西澤さんを中央奥に配し、左右手前に他の弦が広がる。
音がしっかりしている。あとで感じたのだが、角が鋭角にならず丸みを帯びるような鳴りになるのはこのホールの特性なのかもしれない。
エロイカ葬送は下降音型が落ち着いた響き。流れるようなラインでは無くて滑るようなものは求めていないのだろう。高弦がキーンとチリチリする響きが欲しい。
旗揚げ公演、段取りが良くなくて自由席の長蛇蒸し風呂開場待ち、開演は7時とあるがモタモタと15分過ぎまでステージの上は音沙汰無し。最初の曲、何か影響があったのかもしれない。何事も最初が肝心。肝心かなめの最初はもうすこしシャキッとしてしかるべき。

フォーレの短い曲はオリジナルのハルモニウムが付く。後半の大地の歌に向けてのデモの様でもある。管楽器のように音が持続する。

当夜のメインプログラム、大地の歌。
シェーンベルク編曲、リーン補筆。弦楽四重奏と木管五重奏の9人にコントラバス、パーカス、ピアノ、ハルモニウムを加えた13人。それに当夜はヴァガボンズ・エディションでマンドリンパートを復元追加、計14人。
プログラムで人数を数えると15人になってる。楽器持ち替え、パーカスは2人対応などによるものだろうか。(プログラム冊子の人数表現説明に少し混乱が見られる)
歌はアルトとテノール。
室内楽器編成、小編成だとスピードアップしそうなところ、息の続く管楽器のかわりにあるハルモニウム効果のせいかどうか、正味64分というゆっくりとした演奏。このテンポ感で音が途切れることが無かった。
この編成で聴く大地の歌、ホールいっぱいに響く。音がデカい。とても小編成とは思えない。ズシンと深い奥行き感こそないけれども相応にマッシヴな鳴り。シェーンベルクの妙。

小編成だと個々人の技量が目立つ。ウィンドは多少ムラがあるけれども全体としてはおしなべて満足できるもの。マーラーの細やかな音のアヤを存分に楽しむことが出来た。
マーラー作品はどれもこれも聴いた時はそれが一番の作品と思えてくる。こうして聴く大地の歌もなにやらベスト作品のように思えてくる。本当に。
アルトの高橋さんの歌が素晴らしい。まず柔らかい声、高域も、フォルテも、思いっきりの力感こもり、それに純度が高い。ピュアでソフトで芯がある。素晴らしい歌。
第2楽章の後半、安定調になるところの下野ヴァガボンズの伴奏に乗った歌は感動的でした。秋の孤独、スバラシイ!
ゆっくりとした終楽章のディテール分解は大したもんで、下野ヴァガボンズの真骨頂は、この告別、中間部の長いオーケストラのみのモノローグのところ。
この楽章、高橋さんの歌は白熱。マーラーの感情の起伏をなぞっていく。言い尽くせない浸透度で聴衆の心に迫る。圧倒的な歌唱。

テノールの中嶋さんが歌う1,3,5楽章は冒頭の1楽章が大きい。イタリアンオペラ風味の細くて透き通る声で素晴らしく滑らか。3,5楽章のウィット感、上昇フレーズの滑らかな移行が自然で心地よい。
アルトとのマッチング、ベストでしたね。

といった具合で、始まる前の段取りの悪さも忘れて、気持ちよく帰路につくことが出来た。大地の歌、あらためて、いいものですね。
次回の公演も期待しております。
おわり


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