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1990年ベルリン国立歌劇場公演のスケジュールはここ。
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10月18・19・20日と魔笛を上野で行い、
23日からは、
ばらの騎士
その初日はこんな感じ。
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1990年10月23日(火)5:00pm
東京文化会館
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シュトラウス作曲 ばらの騎士
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元帥夫人/マクダレーナ・ハヨショヴァ
オックス/ジークフリート・フォーゲル
オクタヴィアン/ローズマリー・ラング
ファニナル/ロルフ・ハウンシュタイン
ゾフィー/マルゴット・ステイスカル
マリアンネ/クリスティーナ・クレメンツ
ヴァルザッキ/アンドレアス・シュミット
アンニーナ/クリスティーナ・パップ
歌手/ヴォルフガング・ミルグラム
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エアハルト・フィッシャー プロダクション
ハインツ・フリッケ指揮
ベルリン国立歌劇場
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ファニナル以外は完全ダブルキャスト。
10月20日まで魔笛をやって、21,22とばらの騎士の練習を行ない、23日の初日に合わせる、といったところか。
平日の5時開演である。
その前の開場の時刻、気持の整理、呼吸を整える、など、もろもろを考慮すると、サラリーマンの場合、午後半休がベター。
ただ、上司によっては性格の悪い人間もいて、その日だけわざと期限付きの仕事を増やしたり、なんやかやとからんできたりするケースがあるので、自分が上司になるのが一番であるが、ここは当日会社を休んでしまうのがベスト。
本当は、終演後に舞台のことを肴に、深夜まで語りつくしたいものだが、そうなると翌日も休まないといけなくなる。
一日の公演で二日間有給休暇をとるのもどうかというところであるため、連日の舞台鑑賞は避け、なるべく日をあけて次の出し物に挑むのが、これまたベター。
逆に三日続けて休んで連続して舞台を見るというてもあるが、日本での舞台は、同一カードを連日まとめてやる方式であるためなかなかできない。それができるのはリングぐらいか。
今回上野での、バラの騎士、のスケジュールは
10月23日(火)
10月24日(水)
10月25日(木)
といった具合で全部平日5時開演。
昔、クライバーの棒によるばらの騎士を全部見たという人がいたが、ウィークエンドにあたっていたのだろうか。
やはり完膚なきまで聴いてあげるには、会社をくびになってもいい、ぐらいの気概で臨むのが生きがいを表明する一つの指針であるのかもしれない。
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ところで、メト座の河童はその昔、このローゼンカヴァリエを腐るほど、ではないがかなりの回数観た。
歌手の役に市川多朗とかが出ていたりしていたころなので、かなりの昔ではある。
ズボン役はほとんどフレデリカ・フォン・シュターデ。
当時のメトのプロダクションはナザニエル・メリル。
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今晩のプロダクションは魔笛と同様エアハルト・フィッシャー。
これが新演出でかかったのは1973年ということであるので、かなりのお古ということになる。
17年前のプロダクションをこうやってみていることになる。
1990年ほやほやの演出の魔笛と比べるのはどうかと思うが、同じように明るい舞台である。
ただ、ばらの騎士、のほうは明るいが重い。
舞台が狭いせいか、小道具があまりあるわけでもないのに妙に狭く感じる。
ここらへん、メトなどと比べるのが間違い、だろうと思うのだが昔のイメージが脳裏にこびりついてしまっている。このイメージをはがすにはよほど強烈な演出でなければならない。
狭い舞台だと、ワルツなどがいま一つ優雅さを欠き、踊りが窮屈になってしまい、その分歌にも影響がでて、それを見ている聴衆も余計なところに気が散ってしまう。だだっぴろいところでやってほしいなぁ。
小道具大道具が、もしかすると旅先用のものでサイズが小さいのかもしれない。元帥夫人のベットももう少し大きくてもよい。
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それで、内容の方であるが、あまり覚えていない。
優雅さの中にわびさびがあるこのオペラ。それが進行とともに自然ににじみ出てくるいい歌、演奏であった。
オーケストラ、歌、がうるさくならないのが良く、静かに舞台が推移していく。
聴衆が舞台というよりもストーリーに静かに没頭していくのが手に取るようにわかり自分もそのなかにいることにはっと気づいたりする。(この感覚はオペラゴアーズにはよくわかりますよね。)
ジョークも下品な笑いを誘発するところがなく、みんなどっと同時に沸いたりして、聴衆の舞台への埋没度が大変に素晴らしいものであった。オペラはこのように観なければならない。
おわり
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