河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1504- ロルフ・リーバーマン、ジャズバンド協、野平、炎の弦、池辺古希7作品、杉山洋一、都響2013.9.2

2013-09-02 22:51:26 | コンサート

2013年9月2日(月)7:00pm サントリー

ロルフ・リーバーマン ジャズバンドと管弦楽のための協奏曲 20分
  ジャズバンド:角田健一ビックバンド

野平一郎 エレクトリックギターと管弦楽のための協奏曲「炎の弦」 12分、14分
  エレキギター:鈴木大介

古希を祝う7作品による管弦楽 <世界初演> 34分
  小出稚子 元気・長生き・古希音頭
  西村朗 池辺晋一氏の名によるヘテロフォニー
  猿谷紀郎 悲しみの森の中へ
  権代敦彦 秋
  野平一郎 水のほとりにて
  新実徳英 祭典Si-宇宙、樹、風-
  池辺晋一郎 原風景へ~オーケストラのために

杉山洋一 指揮 東京都交響楽団

サントリー芸術財団サマーフェスティバル 2013
新企画 ザ・プロデューサー・シリーズ 池辺晋一郎がひらく
「ジャズ、エレキ、そして古稀」


毎年恒例サマーフェスティバル、今年はホールが8月いっぱい保守点検で9月開始となる。いつもならこれをもってシーズン・エンドだが、今回はこの日の演奏会をシーズン・スタートにしておきます。

まず企画「ジャズ、エレキ、そして古稀」、支離滅裂だと思います。池辺氏御自身で、それを狙った企画なのでしょうか、この3語並べて意味あるのでしょうか。「音楽様式、楽器、作曲家70才」?、疑問のある企画だと思います。この3語に共通するのは“一騎打ち”ということのようで、こじつけとは言わないが言葉ではそれなりにいくらでも説明出来ると思いますが、この3語のフレーズからは何の音も出てこない。作曲者自身のコメントとして、古希おろしてくれ、という話で、話にならない。
ホールが半分以上埋まったからいいじゃないか、たしかにそうかもしれませんけど。
連関のない音楽3曲を一晩にやる演奏会です。それ以上でも以下でもない。日常でもこのような演奏会はありますし。

結果的に演奏水準の高さにフォローされた内容となりました。都響のまろやかで明るくて粒立ちの良いレコーディング向きのサウンドと、指揮者の抜群のコントロールが効いた内容の濃い演奏となりました。
一曲目のロルフ・リーバーマンの曲は1954年作。現代音楽というには60年経っているわけで、むしろ時代の音楽とでも言うべき。
古典ならまず曲の美しさとかフォームの出来具合の方に耳が自然と行きますが、いわゆる現代ものだと、いつまでたっても、どの時代の?といったあたりのことが先に来てしまう。この曲はこのタイトル通りコンチェルトを楽しめばいいと思いました。
通常編成のオケで、サイズはソリストたるべきジャズバンドに負けないぐらいのもの。指揮の杉山の指示が的確で、悪乗り風なリズムの取り方はせず実に品のあるもの。また、オーケストラにだけでなくバンドへの指図がうまい。ツボを押さえているというか吹きたくなる棒。
今となっては大時代的な曲で相応な時代音楽、融合の実験ミュージック、一度終わったものを再度聴いているような錯覚に陥る。
この曲、聴き進めるうちにゲルハルト・ウィンベルガーGerhard Wimbergerのプレイズplaysに雰囲気が似ているかと。プレイズの方はイレギュラーな楽器編成ですが、ジャジーな感じが特に後半似てくる。プレイズは1975年の作で、この曲の方が似ているということになるかと思いますけれど。

前半二曲目の野平の作品、これはエレキギターがソロをつとめる協奏曲。目を開けて見ればギターだが、目を瞑ればシンセサイザーとか電子楽器の鳴り。ミュージック・コンクレート風味があり、1990年作の割には時代を遡ってしまった感のある曲。この曲聴くの2回目のような気がする。
ソリストの赤衣装は、炎の弦か。

後半の7曲は古希祝い。いろんな引用とかそれぞれの作曲家たちのユニークな発想に基づくイメージを曲にしたもの。これはこれで楽しめました。曲ごとの主張もよくわかりました。
ただ、曲ごとに楽器編成や位置を変えるのに時間がかかりすぎ、ちょっと興ざめ。オア(Or)で置いておけばいいと思うのだが、なぜしないんだろう。
おわり


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