河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1585- シューベルト4悲劇的、ブルックナー4ロマンティック、ハウシルト、新日フィル2014.1.24

2014-01-25 00:30:43 | インポート

2013-2014シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2013-2014シーズン
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2014年1月24日(金)7:15pm トリフォニー
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シューベルト 交響曲第4番 悲劇的
 10′9′3′11′
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ブルックナー 交響曲第4番 ロマンティック
       (1878/80年、ノヴァーク版)
 21′17′11′26′
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ヴォルフ=ディーター・ハウシルト 指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
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ハウシルトはこのオーケストラでも以前聴いたことがあるが、そのずっと前は合唱指揮の印象が強い。まぁ、今日の演奏は雰囲気的には北に移動したシュヴァルツヴァルトみたいな統合前のドイツみたいな、寝床の壁から出てきたような表現だったように感じました。このような解釈の演奏を展開する指揮者は今はほとんどいません。お寺に鎮座する大仏のような趣きで縁日であればちょっとお参りしてみようかなという妙にフレッシュな。ところがなくもない。
ただ、自己いじりのような解釈ではなく、この曲はこのように演奏されてきた、だからこれからもそうする、ということだと思います。貴重です。
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それで前半のシューベルト、この曲は好みです。終楽章のエンディングがまるでブラームスのヴァイオリン協奏曲みたいな大業でびっくり。一度終わってもう一度終わるような感じでした。音と音との間隔を大きくとったヘビー級の終わり方。
それだけでなく、全体がおしなべてこんな具合なんです。
このエンディングは鉛が胃の底に落ちていく妙な気持でしたが、全般通して重い演奏だなぁとはあまり感じない。ふくよかに歌うというよりも、引きずられるような演奏でもなく噛み砕いてきっちりと表現できているため、部分をとると割とすっきりしている。音をあまり伸ばすことなく、隙間を作りながらの演奏で、これはこれでよかったと思います。ただ、
オーケストラの能力としては一拍目の解像度が長続きしない。ザー・ザーとやると二つ目のほうのザーが、だいたい濁る。普通は逆な気がしますが、このオーケストラの技術的なテーマというより気持ちの問題のような気もしますし、オーケストラの中に何かをはらんでいるのかもしれない。とにかく濁ると、ぼて系になってしまい、このザーは指揮者がその場で指摘、矯正できるものでもない。やはり一段落ちるのかなぁ、(サントリーとトリフォニー両方定期通ってますが、、)
二拍目以降の力がゆるんでしまうのは問題と言えよう!
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ということで、シューベルトの悲劇的、こんなに規模が大きくて本格的な曲だったのかとハウシルトの演奏であらためて得心。いい内容でした。ありがとうございます。
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後半のブルックナー、約75分かかりました。前半のシューベルトの拡大系、シューベルトが歌ではなく構築感で聴かせてくれたとすれば、このブルックナーはさらに強固になるのは目に見えている。そしてその通りになる。
特別何かを仕掛けているのではないと思いますがこのテンポで進めばこうなる。一つとるとすれば、それぞれ3主題の濃さもさることながら、提示部から展開部へ、展開部から再現部へ、このつなぎとでもいうべき経過句のエスプレッソな濃さ。この表現は経過句ということを忘れ濃厚な副主題とでも位置づけたくなる。合わせて主題から主題への移り具合も結構な濃さであり、全体的に時間がかかる一因になっている。裏返せば、そのようなあたりまで味わい尽くして聴かせてくれるハウシルトの棒。
ハウシルトはシューベルトでは立っていたが、後半ブルックナーでは中腰の椅子に座りじっくりと、じっくりと。
指揮者は濃厚な演奏ながら、聴くほうは森林浴でも浸かっている風で、抜け出せない心地よさがありましたね。
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ハウシルトは現代によみがえるカール・ベームみたいなところがりますね。このロマンチックの芸風も似ているかもしれない。違うのはーケストラで、ブレークするかどうか微妙なところもありますね。もちろんコマーシャリズムもありますけど。
熱狂の嵐とはいかないけれど、存在感十分なハウシルトの演奏、エンジョイしました。
ありがとうございます。


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