ジョージ・セルはGeorge Szellとした。
ゲオルグ・ショルティはGeorg Soltiである。
アメリカではジョージ・ショルティと発音された。
両者ともにハンガリー人である。そしてアメリカに渡った。
名前にそれぞれの矜持があるかどうか定かではないが、意識していたのはセルの方か。
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最近ショルティのCDがDECCAから多量にでている。
異常に多量であるため買う方も大変だ。
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20世紀の巨匠シリーズ
サー・ゲオルグ・ショルティの芸術Vol.1~3
没後10周年特別記念
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Vol.1黄金時代のショルティ
シカゴ交響楽団
40タイトル
2007/02/21発売
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Vol.2ショルティ
ウィーン・フィル名盤
10タイトル
2007/03/07発売
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Vol.3ショルティ
Early Years
15タイトル
2007/03/28発売
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一か月余りの間に65タイトル買わなければならない。
没後10周年記念とはいえ、よくもまあこれだけ出してくれたものだわ。
最近のブリテンの多量発売のこともあるので強烈な驚きというにはいたらないが、それでも、これでもかの攻撃に唖然茫然。
ショルティは好きでも嫌いでもない。
ただ基本的にはオペラたたきあげ指揮者はだれであれ尊敬してしまうのが河童の癖だ。
1969年からシカゴ交響楽団に黄金時代をもたらしたのは、始まりではなく、結果でしかない。それまでのオペラ劇場でのたたき上げの結果でしかない。
オペラの指揮者にとって、オーケストラを指揮しての管弦楽なんて簡単なものだと思う。
神経の放射具合がオペラの場合360度であり、ありとあらゆることをしなければならない。
経験が大きくものをいう世界である。このような鉄火場修羅場で生きてきた人間にとってオケ演奏会ほど楽なものはないであろう。ただし、何事にもそのさきというものがあるとは思うが。
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それにしてもよくこれだけ出たもんだ。
Vol.2のウィーン・フィルとのものは全部ゲットしたが、Vol.1はまだ半分の20タイトルほどしか手に入れていない。Vol.3の発売はこれからだ。
好きでも嫌いでもない指揮者だが、最終的には全部買うことになるだろう。
こうなったらDECCAには、そう、このさい、ショルティのオペラも全部出してほしい。こちらも腹を決めた。全部出せ。全部買う。全部聴いてやる。
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CDジャケはいま一つチープ感があるが、余計な文字のないジャケでわずらわしさはない。
データは録音の年または月までしか記載がなく、また録音場所も書いてあったりなかったり、マスタリングについてはなにも書いてない。画竜点睛を欠く。ジャケにコストをかけすぎると1枚1,200円とはいかなくなるのであろう。
それにしも昔のアナログ・ディスクの時代にこのような多量同時発売は考えられないし、1枚の価格についてもまた然り。ショルティの足跡を追うつもりはないが、これを全部聴けば道のりの半分は見えるかもしれない。あとはオペラの全部企画だ。
DECCAさん、期待してますよ。
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ということで何から聴こうか。
マーラー作曲交響曲第4番
ソプラノ、キリ・テ・カナワ
シカゴ交響楽団
1983年4月シカゴの本拠地オーケストラ・ホールでの収録。
シカゴの音は厚い。淀みがなくそれでいて分厚い。
磨かれた良質のオケ・サウンド。
4番はこのような音で演奏されるのを望んでいたのかもしれない。
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ワーグナー作曲ジークフリート牧歌
ウィーン・フィル
1965年11月収録
ゾッフェンザールにける素晴らしいウィーン・フィルの響き。
人数を抑えた室内楽的アンサンブルのみごとに凝縮された響き。
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ところで、アップしてある写真は発売予告のパンフレットであるが、渋谷HMVにはあったが、渋谷タワーレコードにはなかった。
タワーで店員に訊いたらその存在も知らなかった。宣伝パンフを配ったり配らなかったりするのだろうか。
どうもこのパンフ、変だ。Vol.2の発売日に誤りがあるし、商品の記載にも誤りがあったりする。この前HMVでもすでになかったので、配布を止めたのかもしれない。
見開きで全65タイトルの一覧を一度に眺めることができるので、レコ芸の細かな字と違い、ものすごく便利なのだが。
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シカゴ交響楽団は1977年に初来日してマーラーの5番を演奏した。
現場にいあわせた潜入河童の生々しい感想はここ。
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