河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2307- ブラームスVnCon、ソコロフ、ドヴォルザーク7番、上岡敏之、NJP、2017.4.7

2017-04-07 23:11:54 | コンサート

2017年4月7日(金) 7:00pm トリフォニー

ブラームス ヴァイオリン協奏曲ニ長調  23′8+8′
  ヴァイオリン、ヴァレリー・ソコロフ
(encore)
クライスラー レチタティーヴォとスケルツォ・カプリス Op.6  5′

Int

ドヴォルザーク 交響曲第7番ニ短調  11′9′7′7′

(encore)
ドヴォルザーク スラヴ舞曲Op.72-2  5′
ドヴォルザーク スラヴ舞曲Op.72-1  3′

上岡敏之 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団


ブラームスのシンフォニックな開始、確信のテヌートモードの中、びっしり詰まった音は上岡の指示のもと滑らかに流れる。充実のサウンド。
このコンチェルト、シンフォニックで大音量、この日のオケは気力体力充実と見え、なにやらスペシャルに鳴っている。
そんな中、ソコロフのヴァイオリンがくっきりと浮かび上がる。もう、これだけで感動もの。本格的なブラームスを堪能しました。

もはや伴奏を越えた極めて雄弁なオーケストラをバックにソコロフのヴァイオリンは、艶やか、むしろ少しザラッとしていて、一見、軽く弾いているように見えるところでも彼の音がスーッと通ってくる。それに、とっても、弾き心地がよさそう。上岡マジックですね。ご本人が弾くピアノコンチェルトのプレイイメージがあるやに見えなくもない。コンチェルトとシンフォニーを同時に聴いているような名状し難い快感。オーケストラを聴く醍醐味。

アダージョ楽章はビューティフルな美音伴奏の中、高弦から舞い降りるソロヴァイオリンのほれぼれ気概のプレイ。オケはここでも立体的で雄弁。ステージの奥行き感を感じさせてくれる。手前からソロ、弦パート、ウィンド、ブラス。この彫りの深さ。ホルンちゃんにはもっとしっかりと頑張ってほしいところもあるが、ぜいたくを言えばキリがない。

指揮者とソリスト、呼吸があってますね。指揮者兼ピアニストの強みでしょうね。この大曲、これだけ呼吸がシンクロしていれば向かうところ敵なし。
終楽章、目まぐるしく変わるモード。全部楽しめる。オケはここでも大音量ですが、ソロのところでぱたりとやむのでくっきりとソコロフ技を楽しめる。なんだか、中低音の弾きがとても強く感じますね。なにやらヴィオラサウンドからヴァイオリンの艶やかな高音まで全てを一人で自在に操っている感じ。
上岡棒は、アダージョ、終楽章ともにニュアンスが多彩で味わい深い。変則的な伸縮を忘れさせてくれた。テンポをそれほど落とすこともなく、じっくりと聴かせてくれたあたり、ご本人の変化、それにオケとのジャストマッチコンビ、そういったものを強く感じさせてくれる。秀逸な演奏でした。楽しめました。

それと、
アンコールのクライスラー、美演。聴かせどころ満載の曲、とっても楽しかった。

ニ長調のあとはニ短調。ニはやにっこいのニ。ニはそんな曲が多いなぁといつも思う。
ドヴォルザークの7番なんて、フィナーレの締めくくりでさえ短調に聴こえてくる。快晴の晴れではないな。

骨格がしっかりした作品、本格的シンフォニー。
大きく鳴らし、オケの奥行き感彫り深し、かつ、パースペクティヴの効いた美ニュアンスが満載。プリンシパルたちはユラユラとバンバンしながら上岡棒を表現、ほかのプレイヤー達への波及効果、以心伝心、ということで、素晴らしく歌うアンサンブルの妙。
上岡棒はトリッキーなところがまるで無いもの。第1楽章への込めた気持ちがそうとう強いような気がする。前半のブラームスでもそうですね。言いたいことは全部初楽章の中にあって、とにかくそれを全部表現してしまおうという感がある。ので、
後半楽章はもはや言い尽くされた後の余裕のスケルツォ、締めくくりの快活なアレグロソナタ、先細り感は無くて、シンフォニーの振幅の大きさを感じさせてくれる。正面突破のオーケストラル・コンダクターと思える。
ダイナミックでシンフォニック、彫りが深いエクスプレッション。多彩な美ニュアンス。いろんなものを色々と魅せてくれました。

上岡さんは楽章間のポーズが長いですね。じーっと見ていると、前楽章から次の楽章への気持ちの切り替えと、次の楽章の拍を感じ、それをオーケストラに伝える状況が整ったところで次の楽章へいってます。ポーズ中、ごく少し体が動き始め、そのあたりからプレイヤーたちは気配を感じ始め、だから、指揮者が棒、腕を大きく構えることは無くて、本当に大丈夫なのかなと余計な心配してしまう中、双方の呼吸があったところで始まるのでザッツもハーモニーも生きたものとなってビッタンコ。この実感。

それから、定期で上岡さんが振るときはだいたいアンコール有ります。この日も2曲。歌う、跳ねる、素晴らしく素敵なスラヴォニック・ダンス。

彼が振る定期は毎回収録しているようで、音源が商用化されることもあろうかと思います。そういったこともいい方向に作用している気がします。

他の指揮者のときとは別人プレイヤー達、上岡ご指名のときはシャキッと立つようになった。ようやく来た、この気持ちよさ。充実の盛り上がり、ずっと続いてほしいものです。
いい演奏会でした。ありがとうございました。
おわり

 


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