2017年4月21日(金) 7:00pm NHKホール
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番ハ長調 15′12+9′
ピアノ、ベアトリーチェ・ラナ
(encore)
バッハ パルティータ第1番変ロ長調BWV825より ジーク 2′
Int
ブラームス 交響曲第4番ホ短調 14′12′6+11′
ファビオ・ルイージ 指揮 NHK交響楽団
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ラナさんのベトコン、とっても素晴らしくて堪能しました。
ピアニッシモからメゾフォルテの間を粒たちよくきれいに鳴る。両端楽章などこのコンチェルトにふさわしい歯切れの良さ。中間楽章は一転、グッとテンポを落とし、滴る極みのプレイ。静謐の間を音が縫うよう、間の香りがなんとも言えず美しい。スピード緩めても深刻にならず清らかに響く。息をのむ美しさ。出色の演奏でした。スバラシイ。
見ていると掌より横に指をあまり広げないで立てるような弾き。タッチが軽くてカツ安定している。この微妙なバランス。惚れ惚れする指さばきでした。
美しい2楽章に寄り添う伴奏オケがこれまたいい。プログラム冊子の紹介によると1993年生まれの彼女、ルイージと旧知とあるから、よっぽど若いときから一緒しているんでしょう、ルイージの絶妙なサポート。N響は才能ある指揮者には積極的に反応するので、指揮者がつがい目のような具合で最高の演奏となりました。
例によってステージを前に出し、そこにピアノが乗りますので割と前のほうにやすやすと響いてくる。そういうこともあって、いい味わいの演奏、存分に楽しめました。
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ブラームスでは、ピアノはしまうのですが、それで出来る空きエリアまでオケが前に出てこない。コンチェルトと同じ位置。これはいけません。そもそもよくないホールですから、こまめにいろんな調整をしないといけないのです。
演奏はルイージの一見オーソドックス、このオケ得意そうな作品で、能力を引き出す。うまいもんです。
両端楽章のベースのアクセントが印象的。それに他インストゥルメントとのバランスに特徴が出ます。指揮者が色々と出し入れしている。第1楽章のベースとホルンの重なり合い、両楽器距離があるが非常によく合っていた。こういったあたりも指揮者のものですね。
あと、チェロの膨らみ、しなるような演奏で弦楽合奏の極み。
テンポはゆっくり目で終始急かすことの無い棒で、あわてず、ブラームスの響きのあやを浴びるように楽しめました。
例によって汚いフライングブラボーが、いつものように決まって上のほうからありました。太古の昔からあるので絶滅種となるのはクラシックが無くなるときなのかもしれない。
おわり