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シャッフル状態の会社からでている好企画。
マルケヴィッチの芸術が出たのは2006年8月23日というから2年以上前だ。
ようやく全部聴き終えた。
http://www.universal-music.co.jp/classics/special/legends_of_20th_century/igor_markevitch.html
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マルケヴィッチは手が震えていた最晩年の棒を観たが、悲愴も展覧会の絵もなんというか、この項もいつかは左側のリンクの聴いたコンサート、観たオペラに載せる。先の長い話ではあるが。。
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それで、この20枚だが、ベルリン・フィル、ラムルー、ロンドンなどを振りつくしているがどれが一番いいか。
全部いい、
と言ってしまえばそれまでだが、あらためてこうやって聴いていると、指揮者の精神の安定を感じる。
鬼才ではあったのだろうが、出てくる音楽は派手なもの、クールなもの全てに共通するのはその落ち着きはらった精神状態。演奏するほうもきっと同じであったに違いない。
指揮者と演奏者のシンクロが素晴らしい音楽を作り上げている。どこのオーケストラを振ってもそうなのだから、指揮者の才能以外あるまい。
マルケヴィッチはどこそこのオーケストラの常任、音楽監督などという地位にはあまり関係なく、いい音楽が出てくる。だって両手でたしか、二拍子と三拍子をいっしょに振れたんでしょ。たしかそんな話を聞いたことがある。
そんな指揮者の言うことだから、プレイヤーはだいたい言うこときくよね。ハルサイなんてちょろいもので、日フィルという1960年当時、土壌のなかったオケ相手にしてこそ、指揮者の才気がありありと出たはずだ。
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それで、どれがお薦めか。やっぱり全部。
取り分けて言うならば、エロイカは言うに及ばず、ベートーヴェンは全部いい。ラムルーとの運命はサウンドの腰の強さもあって三角錐的均整のとれた見事な演奏。
ロンドンとのチャイコフスキーは第3番がすごい。あのシンコペーション的三拍子のリズムを完全に噛み砕いてお見事。
ベルリン・フィルとのものも、相手が誰だろうが関係なしに気持ちのいい演奏となっている。モノフォニック録音も総じて音がよく極めて聴きごたえあり。
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マルケヴィッチの音源はもちろんこれだけではない。まだまだある。
そんななかで好印象なのはケルビーニのレクイエム。チェコ・フィルのもの。
だから20枚とは言わずもっとたくさん出して欲しかったというのが本音。
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