またマーラーだ。バブル真っ盛りのころ、マーラー演奏も真っ盛り。
1980年、1983年と若杉のもと来日を果たしたケルン放送交響楽団は、1988年今度はベルティーニのもと来日した。このときは大阪国際フェスティヴァル30周年の記念公演。
8回公演で、マーラーは1番、4番、9番、そして「子供の不思議な角笛」より。
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1988年4月2日(土) 19:00 サントリー・ホール
マーラー 交響曲第9番
ゲイリー・ベルティーニ 指揮 ケルン放送交響楽団
まず、音がドライ、というよりも、埃っぽく、艶がない。ありのままの音がそのまま出てくる感じ。技術的にはいま一つ。放送交響楽団にありがちな温室栽培ではあるが、解析回路に技術的な不純物抵抗があり電流が流れきらない。
ベルティーニの解釈もさっぱりしているというか、深刻ぶらない9番であり、高いお金を払って聴く大曲には必ず感動しなければならない日本人に背を向けているようでもある。
全体印象としては若杉の時よりも希薄。
それにしても、日本人がいろいろといるオケだった。
オーボエ・トップはもちろん宮本文昭さん。コントラバスはお河童頭の河原泰則さん。第1ヴァイオリンには四方恭子さん。そして4番の日にはソプラノは白井光子さん。ほかにも何人かいてすごく多いような印象。
おわり