2019年1月10日(木) 7pm サントリー
シェーンベルク ヴァイオリン協奏曲Op.36 14-8-13
ヴァイオリン、パトリック・コパチンスカヤ
Int
ブルックナー 交響曲第6番イ長調WAB106 (ノヴァーク版) 15-17-9-15
大野和士 指揮 東京都交響楽団
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年明け早々の演奏会は、コパチンスカヤさんのヴァイオリン。お初で聴きます。
シェーンベルクのヴァイオリン・コンチェルトはオーケストラの咆哮とヴァイオリンのソロがよく分かれていて両方を味わえる。双方にとって難儀な曲に違いない。響きとしては、より現代音楽的な醍醐味を満喫できる。シャープなソロに相応しいオーケストラサウンド。
コパチンスカヤさんは自由奔放というかモーションに華がありますね、自然な。
各フレーズのひと弾き目が水滴のように膨らみ、そしてスパッと見事な切れ味。この困難なコンチェルトでなんと、身体全体がよく動きスウィングする、スウィング弾き。どうやってリズムを取っているのか、素人目にはさっぱりわかりませんけれども、なんだか、凄そうだというのは分かる。なにやら、波長がどこかの節目ごとにシンクロしているようだ。動いていても線が一様に浮かび上がってくる。線が続いていくヴァイオリン・フレーズは割と追いやすいもので、まあ、離れ業といったところですな。
伴奏のオケは、点の連鎖がシャープ。このオーケストラが得意とするもので、クリアで明瞭(同じ)。特に終楽章冒頭のオケの立体構築物の様な響きには圧倒されましたね。
とにもかくにも、両者が同じく研ぎ澄まされていて凄味にもシナジー効果、圧巻の音響空間。
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Ab6 duration
Ⅰ 2-2-2-t2-2-1-2-c2
Ⅱ 2-2-1-t4-1-2-2-c3
Ⅲ 3-3-3
Ⅳ 2-2-1-t4-1-2-2-c1
後半プロのブルックナーはうって変わっての駄演凡演。アクセルと流れがチグハグでつんのめっていく。ブラスはバラバラ。ブル音では無いし。辛うじて、ホルンが木管化していて、この作品ではウィンドに、より寄り添うようなトロミをだしていて、これはありですね。
おわり