河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2776- オール・ベートーヴェン・プロ、悲愴、月光、ワルトシュタイン、エリーゼのために、テンペスト、熱情、及川浩治ピアノリサイタル、2020.2.16

2020-02-16 22:24:11 | リサイタル
2020年2月16日(日) 1:30pm-3:50pm 川内萩ホール、東北大学百周年記念会館

オール・ベートーヴェン・プログラム

ピアノ・ソナタ第8番ハ短調Op.13悲愴 9-4-5
ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調Op.27-2月光 4-2-7 
ピアノ・ソナタ第21番ハ短調Op.53ワルトシュタイン 10-3-+13

Int

イ短調WoO.59エリーゼのために 3+
ピアノ・ソナタ第17番ニ短調Op.31-2テンペスト +7-7+5
ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調Op.57熱情 10-6+7

(encore)
ショパン ノクターン第20番 遺作  3
リスト(ブゾーニ編) ラ・カンパネラ  5


ピアノ、及川浩治


2時間半近くかけてネイミングのあるソナタ5曲とエリーゼ、それにアンコール2曲、満腹のリサイタル。

あいにくの雨模様の中、それでも盛況でしたね。
6作品、休憩は一回。前プロ、後プロ、それぞれ1曲ずつ出入りするような面倒は避けて、ひとつ終わると立って一礼しすぐ次に移る。濃度ある。エリーゼと次のテンペストは連続演奏、ナチュラルな進行でした。
初めて訪れたホール、ざっくり大雑把な雰囲気だったが響きはやや拡散系ながらそこそこふくよかな鳴り。ふやけないのでピアノの粒立ちがよくわかる。自席では左手のバスサウンドがとてもよく飛んでくる。

6作品、ひと作品ごとに丹念に光を当ててくれて聴くほうはあらためてじっくりと味わい尽くしました。大ごとではなくてすごく小さなところから始まって気が付いたらメラメラと萌え上がっている。気張りが無くて力の抜けたところからクライマックスのビンビンいうプレイは見事だ。
悲愴の中間楽章は淡々と進む。押しなべて他の作品も同様なスタイル。こういうことに気づきをしたほうがいいのかもしれない。シンプルな熱情中間楽章などもはや枯れて炎の核が音を形作っている。
シンフォニックなスタイルが好みのワルトシュタインも、彼の手にかかると、聴くほうもそんなに気張らなくていいよ、てなもん。月光はブルーな趣きで最後は萌える。テンペストはクジャクのような羽ばたきで変幻自在、絶品でしたね。最後の締め、熱情フィニッシュで及川さん、立ちあがりました。
お見事。

アンコールの前に一言あって、ちょっとシャイな雰囲気があって、雄弁なプレイとはだいぶ距離がある。これも、音楽家。良く聴こえなかったのですが、オール・ベートーヴェン・プロだったが、アンコールは別の作曲家のものを、みたいな感じだったと思います。

充実のアフタヌーン、トンペイまで足を運んだ甲斐がありました。
ありがとうございました。
おわり