2020年2月15日(土) 6:40pm 山形テルサホール
ロビー・コンサート
エリック・イウェイゼン フィルハーモニック・ファンファーレ 3
ヒダシュ・フリジェシュ 金管三重奏のためのトリーガ 6
トランペット、松岡恒介
ホルン、関谷智洋
トロンボーン、太田涼平
2020年2月15日(土) 7pm 山形テルサホール
モーツァルト アポロとヒュアンキントゥス K.38 序奏 3
モーツァルト 協奏交響曲変ホ長調K.364 13-11+8
ヴァイオリン、平澤海里
ヴィオラ、山中保人
(encore)
ヘンデル(ハルヴォルセン編曲) パッサカリアより 2
Int
ブルックナー ミサ曲第3番ヘ短調WAB.28 10-11-18-2-9-9
ソプラノ、梅津碧
アルト、在原泉
テノール、鏡貴之
バリトン、鈴木集
合唱、山響アマデウスコア
飯森範親 指揮 山形交響楽団
●
ブルックナーのミサ曲を聴きに来たはずでしたが、ロビー・コンサートも含め全部おいしくいただくことができました。大変に素晴らしい一夜でした。
ロビコンは聴くつもりはなかったのですがちらっと覗いたら、ブラスの三重奏をやるというので、おお、これなら聴いてみようと。
お恥ずかしながらこの2曲の作曲家のこと全く知らず、でもまあたぶんブラスゆかりの方達だろうなというぐらいの感覚。3分と6分ほどの曲、エリックの作品はタイトルの通りファンファーレ、ブラスにふさわしい作品。ラッパ群の腕も冴えわたるきれいな音の吹奏。二つ目のヒダシュは結構長くて、途中、もしかして過去にどこかで聴いているかもしれない、そんな気がしてきた。浮き沈みがあって技巧共々凝らした作品でなかなか良かったですね。金管アンサンブルでやってみたくなりますね。きっと吹いているほうが一番楽しいだろう。
ということで、始まる前からなんだかとても儲けもの、聴く気力も充実してきた。
メインプロは、飯森&山響コンビのモーツァルト、これも食指ピクですね。売り場にある彼らのモツ全を横目で流しつつ席へ。
モーツァルトのオペラ、アポロとヒュアンキントゥス、聴いたことが無い。お初で聴く。序奏だけでも聴かせてもらえばこのお得感。良質のオケサウンドで聴くモーツァルト。程よい流れ、当然、オペラまるごと聴きたくなりますね。
次の協奏交響曲はヴァイオリン、ヴィオラに同オケのメンバーを立ててハイレベルのパフォーマンスを魅せてくれました。
緩徐楽章アンダンテ、短調の憂い。ここ、凄くハートに突き刺さりました。規模の大きい曲、同オケのソリスト二人がオケと同質な呼吸で、かつ、ソロの主張が美しい。ほどほどのオーケストラ編成が身についているためか、ナチュラルな響きバランスで協奏曲風な楽しみを味わいました。
●
キリエ 10
グローリア 11
クレド 18
サンクトゥス 2
ベネディクトゥス 9
アニュスデイ 9
後半はブルミサ3。約60分の熱演。熱演だが全く余計な気張りが無い。すっきりと抜けた声とオケが心地よく飛んでくる。さわやかにしてお見事な演奏でした。
オケは対向、8-8-6-5-3、オルガンと3つのトロンボーンはかみて、合唱とソリスト4名は奥にセットアップ。
頭の3曲キリエ、グローリア、クレド、これで約40分かかる。わけても20分近くのクレド、これが核で、対訳リブレットみつつではあるのだが、やっぱり、歌がメインというか当たり前な話ではあるのだが、透明で清楚、ピッチが一本の線のようであり、ブルックナーの激性と明快な構成感。これらが合わさって理解という頭の中にストレートに刺さってくる。その前のキリエ、グローリア。ブルックナーの回転するリズムや地滑り的な弦の回し、それを支える管達も見事だ。
ここまで3曲、一服。さわやかでヘヴィー、錯綜するのはこっちだけ。ブルックナーの書法が浮き彫りになるような聴き方はいつもシンフォニーばかり聴いているからなのだろうと少し反省しながら音楽に浸ることにした。
サンクトゥスのあとの2曲がまた結構な長さで、でも、力を抜いて聴ける。短い同一歌詞ということもあって出てくる音に集中できるというところもありますね。最後のアニュスデイの印象的なストップ。指揮者がタクトを置いてスコアを閉じても拍手が来ない。耳慣れない作品ということだけではなくて、拍手はあんまりしたくないなあという全員一致の空気感がそこはかとなく漂うような、お見事な集中力とパフォームでしたね。レアなブルミサ3に心から感服。いい曲、いい演奏。
山響アマデウスコアは第一声目から透明感と力感が聴衆にストレートに伝わってくるもので、ピッチの良さとパースペクティヴ感、ブルックナーの息の長いフレーズを支え、時にブルックナー特有なリズム回しが正確に歌われる。オーケストラ演奏も同じ。オケは歌より前に陣取っているものの合唱とソロをきっちり支え切ったという印象がありましたね。これは見事な音響バランスと言えるでしょう。ソリスト4名はみなさんお初で聴きました。いずれも東北・地元にゆかりのある方々でした。合唱共々良きブルックナーを作り上げました。
感動のブルミサ3でした。
●
終わってからロビーで指揮者、歌い手たちのトークがあったのですが、そこに、今日当演奏会を聴いていたという今を時めくピアノの反田さんがあらわれ、ご指名で一言話をしていました。これにはびっくりでしたね。
充実の公演、楽しめた一夜でした。
ありがとうございました。
おわり
ロビー・コンサート
エリック・イウェイゼン フィルハーモニック・ファンファーレ 3
ヒダシュ・フリジェシュ 金管三重奏のためのトリーガ 6
トランペット、松岡恒介
ホルン、関谷智洋
トロンボーン、太田涼平
2020年2月15日(土) 7pm 山形テルサホール
モーツァルト アポロとヒュアンキントゥス K.38 序奏 3
モーツァルト 協奏交響曲変ホ長調K.364 13-11+8
ヴァイオリン、平澤海里
ヴィオラ、山中保人
(encore)
ヘンデル(ハルヴォルセン編曲) パッサカリアより 2
Int
ブルックナー ミサ曲第3番ヘ短調WAB.28 10-11-18-2-9-9
ソプラノ、梅津碧
アルト、在原泉
テノール、鏡貴之
バリトン、鈴木集
合唱、山響アマデウスコア
飯森範親 指揮 山形交響楽団
●
ブルックナーのミサ曲を聴きに来たはずでしたが、ロビー・コンサートも含め全部おいしくいただくことができました。大変に素晴らしい一夜でした。
ロビコンは聴くつもりはなかったのですがちらっと覗いたら、ブラスの三重奏をやるというので、おお、これなら聴いてみようと。
お恥ずかしながらこの2曲の作曲家のこと全く知らず、でもまあたぶんブラスゆかりの方達だろうなというぐらいの感覚。3分と6分ほどの曲、エリックの作品はタイトルの通りファンファーレ、ブラスにふさわしい作品。ラッパ群の腕も冴えわたるきれいな音の吹奏。二つ目のヒダシュは結構長くて、途中、もしかして過去にどこかで聴いているかもしれない、そんな気がしてきた。浮き沈みがあって技巧共々凝らした作品でなかなか良かったですね。金管アンサンブルでやってみたくなりますね。きっと吹いているほうが一番楽しいだろう。
ということで、始まる前からなんだかとても儲けもの、聴く気力も充実してきた。
メインプロは、飯森&山響コンビのモーツァルト、これも食指ピクですね。売り場にある彼らのモツ全を横目で流しつつ席へ。
モーツァルトのオペラ、アポロとヒュアンキントゥス、聴いたことが無い。お初で聴く。序奏だけでも聴かせてもらえばこのお得感。良質のオケサウンドで聴くモーツァルト。程よい流れ、当然、オペラまるごと聴きたくなりますね。
次の協奏交響曲はヴァイオリン、ヴィオラに同オケのメンバーを立ててハイレベルのパフォーマンスを魅せてくれました。
緩徐楽章アンダンテ、短調の憂い。ここ、凄くハートに突き刺さりました。規模の大きい曲、同オケのソリスト二人がオケと同質な呼吸で、かつ、ソロの主張が美しい。ほどほどのオーケストラ編成が身についているためか、ナチュラルな響きバランスで協奏曲風な楽しみを味わいました。
●
キリエ 10
グローリア 11
クレド 18
サンクトゥス 2
ベネディクトゥス 9
アニュスデイ 9
後半はブルミサ3。約60分の熱演。熱演だが全く余計な気張りが無い。すっきりと抜けた声とオケが心地よく飛んでくる。さわやかにしてお見事な演奏でした。
オケは対向、8-8-6-5-3、オルガンと3つのトロンボーンはかみて、合唱とソリスト4名は奥にセットアップ。
頭の3曲キリエ、グローリア、クレド、これで約40分かかる。わけても20分近くのクレド、これが核で、対訳リブレットみつつではあるのだが、やっぱり、歌がメインというか当たり前な話ではあるのだが、透明で清楚、ピッチが一本の線のようであり、ブルックナーの激性と明快な構成感。これらが合わさって理解という頭の中にストレートに刺さってくる。その前のキリエ、グローリア。ブルックナーの回転するリズムや地滑り的な弦の回し、それを支える管達も見事だ。
ここまで3曲、一服。さわやかでヘヴィー、錯綜するのはこっちだけ。ブルックナーの書法が浮き彫りになるような聴き方はいつもシンフォニーばかり聴いているからなのだろうと少し反省しながら音楽に浸ることにした。
サンクトゥスのあとの2曲がまた結構な長さで、でも、力を抜いて聴ける。短い同一歌詞ということもあって出てくる音に集中できるというところもありますね。最後のアニュスデイの印象的なストップ。指揮者がタクトを置いてスコアを閉じても拍手が来ない。耳慣れない作品ということだけではなくて、拍手はあんまりしたくないなあという全員一致の空気感がそこはかとなく漂うような、お見事な集中力とパフォームでしたね。レアなブルミサ3に心から感服。いい曲、いい演奏。
山響アマデウスコアは第一声目から透明感と力感が聴衆にストレートに伝わってくるもので、ピッチの良さとパースペクティヴ感、ブルックナーの息の長いフレーズを支え、時にブルックナー特有なリズム回しが正確に歌われる。オーケストラ演奏も同じ。オケは歌より前に陣取っているものの合唱とソロをきっちり支え切ったという印象がありましたね。これは見事な音響バランスと言えるでしょう。ソリスト4名はみなさんお初で聴きました。いずれも東北・地元にゆかりのある方々でした。合唱共々良きブルックナーを作り上げました。
感動のブルミサ3でした。
●
終わってからロビーで指揮者、歌い手たちのトークがあったのですが、そこに、今日当演奏会を聴いていたという今を時めくピアノの反田さんがあらわれ、ご指名で一言話をしていました。これにはびっくりでしたね。
充実の公演、楽しめた一夜でした。
ありがとうございました。
おわり