2009-2010シーズン聴いたコンサート観たオペラより
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この日は土曜日で、このお昼公演と夜のトリノ王立歌劇場の特別演奏会をはしご。両方とも声づくし。
それでまずお昼の方
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2010年7月24日(土)2:00pm
サントリーホール
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ブラームス 悲歌
合唱、栗友会合唱団
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シュトラウス 4つの最後の歌
ソプラノ、イルディコ・ライモンディ
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ブラームス ハイドン・ヴァリエーション
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ブルックナー テ・デウム
ソプラノ、イルディコ・ライモンディ
アルト、小山由美
テノール、ベルンハルト・ベルヒトルト
バス、初鹿野 剛
合唱、栗友会合唱団
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クリスティアン・アルミンク指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
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連日40度に迫ろうかという猛暑、酷暑のなか、まるで深まった秋のようなプログラムが打ち水となってくれるのか。
この4曲ともに折目正しい演奏がまずベースとして求められる。そのうえでどうだということになるのだろう。
ディープなプログラムの一曲目はブラームスの悲歌。曲を聴いたという以上の感想は特にない。オーボエの響きも座った席のせいか今一つ心にこない。
合唱は、ワインヤードのP席を潰したものではなく、ステージ上奥に陣取っている。コンパクトでこのほうが音がまとまって聴こえてくる。折目の正しい演奏をクリアに聴きたい、そのような場合このホールは必ずしも最適というわけではない。この同じ日の夜に聴いた上野でのトリノ王立歌劇場のサウンドとはその差が歴然としている。
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シュトラウスの驚異的に美しいオーケストラル・ソング、4つの最後の歌。この日歌ったのは、真紅のドレスのマルシャリンのようなイルディコ・ライモンディ。ホール全体を包み込むような声ではなく、かといって突き刺すような鋭さがあるわけでもない。アルミンクは比較的速度を上げて進むのだが、このソプラノはその先を急ぐように一声を間髪なくいれてくる。どうもかみ合わない。またオーケストラも今一つ丁寧さがたりない。
第2曲のホルン・ソロも淡々として味わいがない。ポロッもでて少し興ざめであったがトップのヴィブラート自体は好ましいと思う。アルミンクのテンポ設定に問題があり、もう少し落として味わいをかみしめたかったところだ。
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後半一曲目のハイドン・ヴァリエーション。この日の4曲のプログラムのうち唯一声のない曲。ブラスと弦のバランスが非常にいい。ブラスを抑え、ウィンドを前面に出しながら弦も表情が濃い。ウィンドはもっと切れ味があって飛び跳ねるような表情が欲しい。歯切れが悪いわけではないのだが、この日の夜聴いたトリノ王立歌劇場との差は歴然。特に音楽の喜びみたいなものがさっぱりでてこない。
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最後の曲ブルックナーのテ・デウム。合唱の響きがブルックナーの交響曲のようなオルガン・サウンドのような響きを醸し出しており、迫力も満点。ゲネラル・パウゼにあまりこだわりがなさそうに見えるアルミングだが、ここはもう少し強調してもよかった。というのもこの曲はどうも構成的にぎくしゃくしており、醒めたそれでいて深い響きの森を聴いてみたいのだ
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こんな感じでさっぱりいいところがないような具合だったのだが、それも夜のトリノの演奏会を同じ日に聴いてしまったからこんな感想になってしまったのかもしれず、単一の公演としてはそれなりに楽しめました。
おわり