今年2007年、日本に再進出したバーガーキングは、初進出のときはぱっとしなかった。
今度、全米でトランス脂肪酸を中止するらしいが、日本への再進出においてはどうなるのか。いまひとつ明確ではないらしい。
バーガーキングのホワッパーは昔、仕事が遅くなったり徹夜した時、夜中に食べたものだ。
自国でもあまりおいしいものでなかったが、1954年発祥で歴史もあり、それから四半世紀以上もたてば、オーダーの受け方出し方もシステマティックなものだった。
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それよりもランチはもっとうまいハンバーガーショップがあった。名前は覚えていないがチェーン店ではなく独立独歩の店だった。
トリニティーチャーチのあるトリニティープレイスの通りと平行したブロードウエイに、縦にクロスしたテムズ通り。高層ビルのせいで日は全くささない。そこのビルの一角にそのインディーズのハンバーガーショップはあった。
ランチの注文は、バーガー・アンド・コーク。ハンバーガーとコカコーラというわけだ。
10分ぐらい待つと、直火で焼いて油がうまい具合ににじみ出ているハンバーガーだけお皿にごろんと出てくる。コークはでかい紙カップで別に出てくる。それだけ。
テーブルには、バンズが口を開けておいてある。それに少し厚めにスライスした玉ねぎとトマトがたくさん。ケチャップ、マスタード、なんでもありだ。
天然グレイヴィーが美しい肉のかたまりを自分でバンズに手でつまんで置き、またはバンズをグラヴがわりにして肉の塊をすくいあげ、おもむろに玉ねぎ、トマト、ケチャップ、マスタード、そしてもう一度玉ねぎを置き、もう一度ケチャップをかける。バンズのクラウンでふたをして一丁出来上がり。
そして、それをまるごと上から指で少し押さえて固めてから、ガブリつく。ガブリつくことによって、ハンバーガーは安定性を増し、ますますバランスが良くなり食べやすくなる。
口の周りからグレイヴィーを垂らしながら食らうあの昼飯はうまかったなぁ。それにコークも変に甘くて仕事疲れ飲み疲れを癒すにはちょうどいい具合だった。
トランス脂肪酸なんてそんなものは昔は聞いたこともない、心臓病でコロリといってもそれはそれでエンジョイの後の裏返しとみんな納得していたのかもしれない。
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このハンバーガーとコークのセットはチップをいれて5ドルぐらい。たまに仕事場から出ないで気分転換に注文する仕出し弁当(マンハッタンにも昔からあった仕出し弁当)が約10ドル。ご飯の量が異常に多すぎて、残すのも捨てるのも行き着く先はみんな同じさ、という理論は飯を食えない人間を幸福にすることはないという点を除けばほぼ100パーセントの確率で合っている、などと自分で納得しながら捨てていた。
テムズ通りのハンバーガーを残したことはない。
おわり
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