河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

0003- ドミンゴ 日本デビュー30周年

2006-06-22 01:54:38 | 音楽夜話



昨晩はメトのワルキューレ公演最終日。N●Kホールは相変わらずダメサウンドだが、このミラクルキャスト見ないてはない。
ジークムントのドミンゴは1941年生まれ、と2,500円のプログラムに書いてある。65歳!
「日本デビュー30周年」と、第2幕が終わったところで今日は3つある字幕に書いてあった。
この字幕は対訳だけでるわけではなさそうだ。母音がむき出しにならずドイツヘルデンテノールの黒光りする輝きがあまり感じられないのは年齢のせいか、母国語の関係かよくわからない。
いずれにしてもオールスタークラクラキャスト。
両デボラによるガチンコは、声の強靭さと響き、広がり、の点でジークリンデのボイトの勝ち。
ブリュンのポラスキはこのロール全て知り尽くした安定感があるもののその昔から声質自体に特段魅力があると言うわけでもない、が持続するパワーが消耗戦の真昼のサッカー決闘選手の上をいくすごさがある。
ヴォータンのモリスはそのピアニスティックな響きが意外とはいえ、あの巨大ダメホールでよくあれだけ弱音で観客をうならせてくれた。
パペは昔第九の第一音を聴いてから尊敬しっぱなし。昨晩もグーなフンディング。
指揮のアンドリュー・デイヴィスはピアノも達者なはずで、今回レヴァインの代役で稽古をしたのかどうかよくわからないが、オーケストラの微妙なアンサンブルがしっかり、丁寧にきまっていた。
指揮者の功績か、それとも最近のこのオケの傾向か。弱音アンサンブルが決まっている分、しまりのある演奏。チェロは7本。全体に小ぶり。半分ぐらいしかメンバーが来ていないのはないか。

それにしてもだ。もっと若いジークムントみたい。メト座の河童はその昔、ドミンゴのパルジファルも、ローエングリンも、カヴァラドッシも、ホフマン物語も垣間見た。こうもりでは棒も振っていたようだ。グノーのロメジュリにアルフレッド・クラウスが出たときも棒を振っていたような気がする。記憶と記録が溶解し始めているが、当時の若さパワーも今は昔。早く出て来い。マジテノール。

写真は昨晩のプログラムのキャスト表。右側にキラキラかがやくチケットの鋳型は、このオットー・シェンクのプロダクションのワルキューレ初日1986年9月22日の記念物のようだな。
メト座の河童も今日は5時間公演で2キロ減った。トラヴィアータとドンジョヴァンいけばもう4キロダイエットできそ。