〈http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/bitstream/123456789/383/1/uezato_k02.pdf〉
毛有慶は、沖縄人である。和名は亀川盛棟。脱清人 (だっしんにん)であった。
僧侶が担った五山文学と俗人の毛の漢詩文とをくらべるのはあまりうまい比較とはいえないが、すくなくともこちらには和習はしないということは言える。あくまで私が見て判断するかぎりにおいてだが、それから、字句の選択も自在で、作者の個性が表されている。作品世界の色彩感の差は、それこそ作者が身を置く世界――僧と俗と――の違いではあるだろう。しかし一歩ふみこんで言えば、これはまた風土の違いでもあるかもしれない。
(『日本東洋文化論集(5): 43-72』1999-03)
毛有慶は、沖縄人である。和名は亀川盛棟。脱清人 (だっしんにん)であった。
僧侶が担った五山文学と俗人の毛の漢詩文とをくらべるのはあまりうまい比較とはいえないが、すくなくともこちらには和習はしないということは言える。あくまで私が見て判断するかぎりにおいてだが、それから、字句の選択も自在で、作者の個性が表されている。作品世界の色彩感の差は、それこそ作者が身を置く世界――僧と俗と――の違いではあるだろう。しかし一歩ふみこんで言えば、これはまた風土の違いでもあるかもしれない。
(『日本東洋文化論集(5): 43-72』1999-03)