書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

「天安門事件の王丹氏『人権状況、当時より悪い』」 を読んで

2011年06月03日 | 思考の断片
▲「YOMIURI ONLINE(読売新聞)」2011年6月3日18時55分、台北=源一秀。
 〈http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110603-OYT1T00825.htm?from=top

 十年一日、いや二十年一日の同じ言説の繰り返し。この人の自伝には感動したが、時移り人変わり、ジリ貧民主化運動の起死回生策としてショービニズムを手段にした時点で、私はこの人を信用しなくなった。結局は政客になったらしい。官場の習気ぷんぷん。柏楊氏いうところの「漬物甕文化」が有する力の怖ろしさよ。言い出しっぺでありもっとも自覚的な反対者であった柏楊氏さえ最後はその中へ戻っていってしまったというところ、怖ろしさ窮まりなし。(参考・曹長青「柏杨的矫情」

「Samurai Sword Used to Slay Poet」 を読んで

2011年06月03日 | 思考の断片
▲「The Moscow Times」03 June 2011.
 〈http://www.themoscowtimes.com/news/article/samurai-sword-used-to-slay-poet/438103.html

 イスラム教とその信者をその詩で侮辱した北オセチア人(恐らくキリスト教徒)を、激昂したイスラム教徒が日本刀で斬り殺したという事件。なぜ日本刀なのかよくわからない。なお犯人は包囲した警察にこんどは銃を向けて発砲し、警官三人を負傷させて、最後まで抵抗したあげく射殺されたという。

曹長青 「馬英九の“秘所露出”事件の意味するところを考える」 から

2011年06月03日 | 抜き書き
▲「曹長青網站」2011-06-02「怎样看马英九“露私处”」
 〈http://caochangqing.com/gb/newsdisp.php?News_ID=2431

 これもある意味「敏感問題」かしらん。

 一个今天说不穿内裤,明天被拍到私处的人,如果2012还能连任,那真是台湾人的耻辱――“弹丸之地”有个“蛋头总统”。

 名文を通りこして奇文怪文の域である。“★ンタマ総統”とは何ぞや。しかもご丁寧にも“弾丸”と同じ意味の“弾頭”と同じ音にかけてある。含意をすべてひっくるめて訳せば、「弾丸のように小さい国土に睾丸のように小さい総統を戴く台湾人の恥辱」というところであろうか。我ながら60点。
 それにしても“露蛋”はそのものずばりでまだわかるにしても、“露馅”なんて言い方をするのか。卵だったり(ニワトリの卵かウズラの卵かは人によって異なるだろうが)、餡だったり、口語漢語の奇抜で自由な表現にはしばしば感嘆してしまう。

フランク・ダラボン監督 『ショーシャンクの空に』 (1994年)

2011年06月03日 | 映画
 希望を捨てる勇気とは自殺する勇気のことかという、裏返しの感想。希望とは明日は今日よりよくなるという望みのことだろう。明日も今日と同じだろうというのは希望といえるだろうか。今日より明日は悪くなるのなら、絶望するしかない。まったく絶望して、それでも生きてゆけるものだろうか。
 
(ワーナー・ホーム・ビデオ 2010年4月)