書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

入矢義高校注 『五山文学集』

2011年06月24日 | 文学
 『新日本古典文学大系』48。鎌倉・室町時代の五山十刹に住した禅僧たちの手になる漢詩文のアンソロジー。
 『懐風藻』のような「平仄まちがえたらどうしよう」的なぺっぴり腰はもう見られないが、外国語でという悲しさ、どうしてもネイティブの後を慕う月並みな発想と言葉づかい。入矢氏の注釈文を素直によむかぎり、和習(倭臭)もときにするらしい。

(岩波書店 1990年7月第1刷 1999年6月第3刷)