書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

『西遊記』の筆者は、・・・

2018年01月23日 | 思考の断片
 『西遊記』の筆者は、自分の書く怪力乱神を、フィクションの一部、または自分の作り上げる娯楽作品で必要なパーツとして採用していたのか、それとも多少なりともその実在を信じていたのか。
 それはたとえば、宋代の士大夫が、天人相関説を本当にあるいはどこまで信じていたかという問いのようなものである。欧陽脩は『五代史記』で否定、もしくは人智ではその繋がりは理解できないという不可知論の立場をとっている。司馬光は本気で信奉していたらしい。しかし蘇軾はどうか。王安石になると方便や文飾だと割り切っていたとしても驚かない