書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

松浦好治 『法と比喩』

2017年06月01日 | 社会科学
 出版社によるオンデマンド版の紹介。

 問題解決のプロセスで登場する比喩、類推、擬制が法的世界で中心的な役割を果たしていることを示す野心作です。
 (「内容」)

 元の紙の版で読んだ。非常に興味深い。この分野の確たる該分野の専門家がこの主張を前面に押し出しているということが、私個人にとってはだ。
 本書、「第一章 経験と言葉の間」にこうある。

 比喩を変えるということは、ものの見方を変えることにつながる〔原文傍点〕。対象に関する新しい比喩の導入は、場合によっては、ものの見方を一変させる可能性をもっているのである。
 (30頁)

(弘文堂 1992年5月)