この本で取られた手法は、「切れ切れに語られた話を、〔聴き手の〕主観を交えず話者の言葉で復元」するというやりかたで、「話者が語った言葉をそのまま記す」「口述筆記」と区別して、「談話聞書」と呼ぶらしい。「話者の言葉を再構成して筆録したもの」の由。口述筆記に較べて読みやすく理解も行き届き易い反面、どうしても筆記者の主観が混じり込む可能性が高くなりそうである。それを避けるためには、談話者の校閲を経る手続が必須となるだろうと推測する。
(図書出版のぶ工房 2012年1月)
(図書出版のぶ工房 2012年1月)