歴史学研究会日本史研究会編『日本歴史講座』第七巻「戦後十年史」、東京大学出版会、1957年8月から。
“朝鮮戦争が南鮮とアメリカによって挑発せられたのか、アメリカなどのいうように北鮮ないし共産側が挑発したのか、現在はなお資料が足りない。ただ日本と南鮮およびアメリカとの関係、アメリカのアジア政策の変化を、系統的にしらべてみると、四九年秋からアメリカと李承晩政権が、近く北鮮を攻撃する準備を精力的に進めていたことは、明らかである。(中略)日本の政治・経済も朝鮮戦争への準備に集中されていき、(中略)朝鮮戦争の準備および遂行と関連して、対米単独講和の取引が進められる。” (13頁)
判断を回避するふりをしながら南鮮=韓国と米国が先に攻撃をしかけたのだぞと暗黙のうちに仄めかし、さらに“大きな情況から見ればどちらが先に攻撃をしかけたかは実は大した問題ではないのだ”というふうに話を逸らせる遣り口。
ただし、これが案外怪我の功名かもしれない可能性。
◆萩原遼 『朝鮮戦争 金日成とマッカーサーの陰謀』 (文藝春秋)
→2003年4月19日(土)欄
“朝鮮戦争が南鮮とアメリカによって挑発せられたのか、アメリカなどのいうように北鮮ないし共産側が挑発したのか、現在はなお資料が足りない。ただ日本と南鮮およびアメリカとの関係、アメリカのアジア政策の変化を、系統的にしらべてみると、四九年秋からアメリカと李承晩政権が、近く北鮮を攻撃する準備を精力的に進めていたことは、明らかである。(中略)日本の政治・経済も朝鮮戦争への準備に集中されていき、(中略)朝鮮戦争の準備および遂行と関連して、対米単独講和の取引が進められる。” (13頁)
判断を回避するふりをしながら南鮮=韓国と米国が先に攻撃をしかけたのだぞと暗黙のうちに仄めかし、さらに“大きな情況から見ればどちらが先に攻撃をしかけたかは実は大した問題ではないのだ”というふうに話を逸らせる遣り口。
ただし、これが案外怪我の功名かもしれない可能性。
◆萩原遼 『朝鮮戦争 金日成とマッカーサーの陰謀』 (文藝春秋)
→2003年4月19日(土)欄