書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

臼井勝美/NHK取材班 『張学良の昭和史最後の証言』から

2008年05月16日 | 抜き書き
“一二月一一日の晩、東北軍軍長会議が開かれ、私もそれに参加していました。張学良はそこで兵諫を実行するという命令を下しました。私に与えられた任務は臨潼の華清池に行って、蒋介石委員長をお連れする、つまり捕まえるというものでした。そして、どんなことがあっても、蒋介石を傷つけたり殺してはならない、ということでした” (「第四章 運命の西安事件」、孫銘九インタビュー、本書190頁)

(角川書店 1991年8月)

Wikipedia(English) "Xi'an Incident" から

2008年05月16日 | 抜き書き
"The winds began to change his way after Stalin gave his guidance on this incident. Stalin believed that Chiang's execution would not be beneficial to either Chinese resistance to Japan or Soviet interests in the Far East. Desperately in need of Soviet aid, Mao relented to Stalin’s opinion and showed his enthusiasm for peace talks. On 17 December 1936, the CPC delegation was sent to Xian and met with Zhang and Yang to find a peaceful resolution. On 22 December 1936, Madam Chiang and her elder brother T.V. Soong flew to Xian to meet the CPC delegation, Zhang, and Yang. On 24 December 1936, the parties reached an agreement to establish a united front against Japan and to release prisoners accused of inciting anti-Japanese riots. The next day Chiang and his entourage were released. Zhang escorted him back to Nanjing, although Zhou expressed his concern."

(http://en.wikipedia.org/wiki/Xi%27an_Incident)

J・M・バートラム著 岡田丈夫/香内三郎/竹内実訳 『西安事件 抗日民族統一運動の転機』

2008年05月16日 | 東洋史
 Wikipedia(英語)に著者の項目あり。
 →James Munro Bertram, http://en.wikipedia.org/wiki/James_Munro_Bertram

 この西洋人ジャーナリストは、同時期に中国で活動したスメドレーやスノーとはいささか毛色を異にする。
 親中・反日という点は同じだが、後の二人のように中国が好きで日本を嫌いなあまり「田中メモランダム」を鵜呑みにするというところがない。バートラムは、真偽は不明として措いていて、心理的な平衡を失っていない。
 そして好奇心に自己規制がなく、「何でも見てやろう」式なところ、後の二人よりおもしろい。

 ところで、

●谷良平訳『内乱から革命へ―中国の転機・西安事変』(三一書房 、1953年)
●谷良平訳『中国革命の転機―西安事変の記録』(未来社、1966年)

 先行するこれら二翻訳につき、岡田氏のあとがき「解題 いわゆる『西安事件』とはなにか」で全く言及するところがないのは何故か。

(太平出版社 1973年12月) 

小野川秀美 『清末政治思想研究』から

2008年05月16日 | 抜き書き
“西学の基礎に算学をおくというこの考え方は、日清戦争の頃に至るまで、西学に志すものの一般的な通念であった。” (「第一章 清末洋務派の運動」、本書27頁)

“変法論の成立過程は、西洋の議会制度に対する関心の度合に比例している。” (「第二章 清末変法論の成立」、本書102頁)

(東洋史研究会 1960年3月)

ジョナサン・スペンス著 三石善吉訳 『中国を変えた西洋人顧問』から

2008年05月16日 | 抜き書き
“中国人は内燃機関の構造を理解できないかもしれない。しかし、彼らは人間を鋭く観察し、即座にその人物がなぜそんな行動をとるのか見ぬいてしまう。彼らは数千年にわたって人間の本性を重視してきたから、その道のエキスパートなのである。” (本書280頁に引くクレア・リー・シェンノートの発言)

(講談社 1975年9月)