書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

今週のコメントしない本

2006年08月12日 | 
 京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授と高橋和利特任助手が、マウスの皮膚細胞から万能細胞を作ることに成功したそうです。
 それにつけて思い出すのは、いっとき万能細胞の捏造に成功したソウル大学の黄禹錫教授ですが、お元気でしょうか。

 閑話休題。

①感想を書くには目下こちらの知識と能力が不足している本
  秦郁彦 『軍ファシズム運動史』 (原書房 1980年1月新装版)

②読んですぐ感想をまとめようとすべきでないと思える本
  リチャード・ライト著 高橋正雄訳 『世界文学全集』 92 「ブラック・ボーイ アメリカの飢え」 (講談社 1978年10月)

③面白すぎて冷静な感想をまとめられない本
  ウィリアム・フォークナー著 大橋吉之輔訳 『フォークナー全集』 12 「アブサロム、アブサロム!」 (冨山房 1980年3月第3刷)

④参考文献なのでとくに感想はない本
  松本清張 『昭和史発掘』 8 (文藝春秋文春文庫版 1978年10月)

  鶴見和子 『父と母の歴史 私たちの昭和史』 (筑摩書房 1978年2月改訂版第8刷)

  鶴見俊輔/鈴木正/いいだもも 『転向再論』 (平凡社 2001年4月)

  柴田武雄 『源田実論』 (思兼書房 1971年1月)

  E. コールドウェル著 杉本喬訳 『タバコ・ロード』 (岩波書店岩波文庫版 1994年12月第9刷)
  リチャード・ライト著 皆河宗一訳 『アンクル・トムの子供たち 今日の文学』 (晶文社 1970年5月)

  アイプ・ロシディ著 粕谷俊樹訳 『アジアの現代文学』 8 「〔インドネシア〕 スンダ・過ぎし日の夢』 (めこん 1987年7月)

  坂田吉雄 『明治維新史』 (未来社 1960年6月)

  萩原延寿 『自由の精神』 (みすず書房 2003年9月)

  読売新聞中国取材団 『膨張中国 新ナショナリズムと歪んだ成長』 (中央公論新社 2006年5月)

⑤ただただ楽しんで読んだ本
  マーク・トウェイン著 村岡花子訳 『ハックルベリイ・フィンの冒険』 (新潮社 1985年10月四十一刷)

  鶴見俊輔 『読んだ本はどこへいったか』 (潮出版社 2002年9月)〈再読〉

 また来週に。

▲「Sankei Web」2006年8月12日、「英テロ未遂 『11日予行16日決行』 容疑者名で航空券予約」
 →http://www.sankei.co.jp/news/060812/kok041.htm
 「Sankei Web」2006年8月12日、「英テロ未遂、アルカーイダ工作員と断定 パキスタン内相」
 →http://www.sankei.co.jp/news/060812/kok039.htm

 敵なら殺してよろしいという発想は、狂気である。
 ――と、私は思うのですが、しかしそうは思わない人がどうも多いようです。彼らだけではなく。