くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「にょにょにょっ記」穂村弘

2015-11-16 05:52:20 | エッセイ・ルポルタージュ
 三冊めです! 「にょにょにょっ記」(文藝春秋)。
 穂村さん、相変わらずいろんなおもしろいことに遭遇しています。
 若者との会話。
   ほ「暖かくなって半袖を着るだけで、なんだか気分がうきうきしてくるね」
   若「お猿みたいですね」
    お猿?
    それは「うきうき」じゃなくて「ウキッウキッ」だろう。
 に、大笑い。
 あと、「わたし、リカちゃん。趣味は短歌。将来の夢は歌人よ」にも笑っちゃいました。そのあとの、「無理か。無理だ」も好き。

 テレビドラマで音楽室のモーツァルトの肖像画を見たあと、「どうして音楽室だけなんだろう」と考える。
 理科室にキュリー夫人の肖像画はない、から始まって、体育館にはジョーダンやコマネチの肖像画はないし、家庭科室にも小林カツ代や平野レミはないと続きます。美術室にだってピカソの肖像画はないではないか、と。
 い、言われてみれば……。
 でも、本校の音楽室には音楽家の肖像画はないですねぇ。今まで気にしたことなかったけど。
 
 「若者よ蛇をとれ!」が「舵」の間違いなのは途中でわかるのですが、フジモトマサルさんの挿し絵がすごい可笑しい! 大蛇の背中で舵をとる姿が……。
 で、京都の電車の中のアナウンス「神仏を見かけた方は駅係員までご連絡ください」に、「さすが京都」と感激しています。
 ……それは、「不審物」ですよね? わかってやっているのか、その抜け具合がすばらしいと思うのです。
 谷川俊太郎さんのおでこを、どさくさに紛れて触ったというのは、不慮の出来事ではなく、あわよくばという感じがします(笑)。
 四冊めは「にょにょにょにょっ記」? 五冊めは「ごにょっ記」でどうでしょう。