くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「芥川賞の謎を解く」鵜飼哲夫

2015-07-30 21:59:39 | 総記・図書館学
 新聞で紹介されていた本です。「芥川賞の謎を解く」(文春新書)。
 芥川賞の選評から、賞の歴史を読み解いていくコンセプト。なにしろ百五十回を超える文学賞ですから、様々な歴史があるわけです。しかも、発案は菊池寛。となると、初期の選者は文豪揃いです。
 菊池、久米、谷崎、川端、横光、室生……名字だけで誰かわかってしまう。あとは佐藤春夫と瀧井孝作、小島政二郎、佐佐木茂索です。
 わたしは高校時代、便覧を見るのが大好きで、芥川賞作品をチェックしたりしていたので、こうやって振り返ってみると覚えている題名が結構あります。
 有名な太宰の芥川賞落選事件とか、太陽族とか、文学史に残る話題もでてきます。綿矢りさと金原ひとみのダブル受賞とかね!
 ただ、わたしとしては芥川賞というと真っ先にイメージする三浦哲郎さんが本当にちょっとしか扱われてなかったので残念……。(まあ、受賞作品で好きなものというアンケートの上位だったという内容なので悪くないですが)
 ということで、ネットで三浦さんの選評を検索しました。抜粋なのでニュアンスしか伝わらない部分もありますが、作品に関してのストイックさはわかります。
 今回の芥川賞は又吉さんってこともあってスポットが当たりましたが、やっぱりこの賞には皆さんいろいろと考えてらっしゃる感じです。
 直木賞バージョンも読みたい!