くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「地下鉄サリン事件20年 被害者の僕が話を聞きます」

2015-04-12 20:22:45 | 社会科学・教育
 宗教とか被害者とか、そういうことに関心があるのです。「神様の値段」読んだあと興奮してなかなか寝つけなかったり、「洗脳」のムックを買ったりしてますからね。
 でも、自分が信仰する気は全くない。神は自分の中にある崇高な何かだと思っております。今日も大会なので朝からラジオ聞いていましたが、特定の宗教に思い入れはありません。聞き流しですね。
 さかはらあつし・上祐史浩「地下鉄サリン事件20年 被害者の僕が話を聞きます」(dZERO)。
 もう20年……。
 職員室のテレビで、麻原が逮捕されたニュースを見たことを鮮明に覚えています。そのあとテレビを賑わせたオウム関連の話題、幹部としてメディアに頻繁に登場した上祐史浩。そして、実際にサリンの入ったビニール袋を目撃し、車両を移ったものの、今も後遺症があるさかはらあつし。二人の対談です。

 今年、地下鉄サリン事件関係の特集がずいぶん報道されましたね。
 上九一色村に強制捜査に入るつもりだったという警察の証言も。
 指名手配を受けて逃亡していた信者も相次いで逮捕され、一区切りついた感じでしょうか。
 でも、なぜあのような衝撃的な事件を起こそうと思ったのか、誰にもわからないのです。

 麻原に最も近い存在であると世間がイメージする上祐氏の話を聞きたいと思ったさかはらさんは、この企画で六時間にわたり対談します。
 写真が少し入っていますが、なんと同じ構図のもの。
 印象的だったのは、上祐氏の目から見て、教祖に「父性」を感じている信者が多かったということですね。
 
 この本と同時に、森達也「『自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか』と叫ぶ人に訊きたい」(ダイヤモンド社)も読みました。
 メディアとか偏見とかを考えさせられます。
 北朝鮮の報道、「将軍様」と人々の言葉を訳すけれど、「様」は誰にでもつけるんですって。そういう習慣にすぎない。
 ……あれ、このエピソード、この本で読んだんだっけ? 
 なんだかものすごく時間をかけて読んだうえ、森さんの本はちょこちょこ読むのでごちゃごちゃになっています。
 戦時中の体験を語る男性の姿は、非常に胸に迫ります。
 たまちゃん、タイガーマスクのランドセル、原発、イースター島のモアイ……とにかく様々な話題が俎上に載せられるのです。

 宗教とか身近に迫っているナショナリズムみたいなものとか、考えるきっかけになるのではないでしょうか。